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『10年ぶりの“あの頃”へ――同級生たちと再会の日』


◆1. 案内状の主は、あの頃のムードメーカー


ある初夏の昼下がり。撮影を終えた修斗と苑香のもとに、一通のグループメッセージが届いた。


「やぁやぁ、元3年A組の諸君!

10年ぶりに、みんなで集まろうじゃないか!

場所はあの頃よく行った“瑞林カフェ”にて!

幹事はこの俺、永嶺翔一より!」


苑香:「…翔一くん。懐かしいね」

修斗:「相変わらずうるさい(笑)けど、懐かしい顔、会いたいな」


2人は即、参加の返事を送った。



◆2. 瑞林カフェにて――変わらない笑顔、変わった日常


10年前と変わらぬ佇まいの“瑞林カフェ”。

店の扉を開けた瞬間、懐かしい声が飛び交った。


翔一:「おぉ〜!出た!瑞牆の伝説カップル!」

美優:「え、苑香!? 本物!? 芸能人すぎて眩しいんだけど〜!」

蓮司:「修斗、マジでイケメンになってて腹立つ(笑)」


修斗:「いやいや、みんなも変わってないじゃん」


苑香:「うわ…みんな本当に元気そう! 私…泣きそう」


その日、カフェの貸切スペースには約20名の元同級生が集まっていた。

教師になった者、カフェを経営する者、海外で仕事をしている者、そして主婦として子育てに奮闘する者も。


翔一:「なあ修斗、苑香。お前ら、いつから付き合ってたんだっけ?」


修斗:「えーっと、実は卒業の日に正式に付き合って、で…そのまま、結婚してたんだ」

苑香:「言えなかったけど…高校卒業と同時に、秘密の結婚してました」


「ええぇぇえええええ!!!?」


歓声と爆笑と驚きが、店内を包み込んだ。



◆3. それぞれの“今”を語る時間


カフェでは、グループに分かれて思い出話に花が咲く。


美優:「そういや、文化祭で修斗が女装して告白劇やったよね? あれ、伝説だった」

蓮司:「苑香、ダンス部のステージ…マジでアイドルだったよ」


苑香:「やだ〜! 黒歴史だよもう(笑)」

修斗:「でもさ、あれがあったから演技好きになったかも」


そして自然と話題は「家族」へ。


翔一:「お前ら、子ども5人もいるんだって? ガチ尊敬…」

苑香:「双子に加えて、下に3人。毎日カオスです(笑)」


美優:「あー、会いたい!今度ママ友会しようよ!」

蓮司:「俺も今、娘3歳。パパ友なろうぜ修斗!」



◆4. 記念写真と「10年前の約束」


宴の終わりに、集合写真を撮ることに。


翔一:「せーの、“瑞牆3A forever!”」


シャッターが切られる瞬間、全員の笑顔があの頃と何も変わっていなかった。


その後、修斗と苑香は静かに並んで座りながら、あることを思い出す。


苑香:「…ねぇ、覚えてる? 高3の教室で、“いつか有名になって、ここに戻ってこようね”って話したの」

修斗:「ああ。今日、それが叶った気がする」


苑香:「うん、“帰ってこれた”って感じ。あの頃の自分たちにも、ありがとうって言いたいな」



◆5. 終わらない青春


再会は夜まで続き、誰もが笑顔で店を後にした。

別れ際、翔一が2人に耳打ちした。


翔一:「なあ、10年後もまたやろうぜ。次はみんなの子ども連れてさ」


修斗:「いいね、それ。子ども同士も、また友達になるかも」


苑香:「その頃には、私たち…もう“若手”じゃないんだね(笑)」


翔一:「…おい!言うなって! まだ俺らピチピチだし!」


3人の笑い声が、夜の風に溶けていった――。


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