『ふたりが還る場所――瑞牆学園高校 文化祭にて』
◆招待状と懐かしい名前
秋のある日、佐野家のポストに一通の招待状が届いた。
差出人は――瑞牆学園高校 生徒会執行部。
「卒業生であり、芸能界でご活躍中のお二人を、本校文化祭“瑞学祭”にて特別ゲストとしてお迎えしたく、お手紙を差し上げました。ぜひ在校生たちに夢と感動を与えてください。」
苑香:「…瑞牆学園。懐かしいね」
修斗:「この文化祭、俺らが3年のとき、雨で中止になったっけ」
苑香:「…行こうよ。今ならちゃんと恩返しできるかもしれない」
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◆登場、スター夫婦
文化祭当日。校門前には早くも人だかり。
その中に、スラリと立つ2人の姿。
生徒たち:「えっ、まじ?本物の佐野修斗!?」「蝗苑香さんだ…!」「やばっ、本当に来たー!!」
生徒会長がマイクで紹介する。
生徒会長:「本日、特別ゲストとしてお迎えしたのは…この瑞牆学園を卒業し、今やテレビや映画で大活躍のお二人――佐野修斗さんと、蝗苑香さんです!」
拍手喝采、カメラのフラッシュ、歓声。
苑香(小声):「高校のときは、ただの“生徒”だったのに…」
修斗:「まさか“夫婦”として、ゲストで帰ってくるなんてな」
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◆記念講演:夢と現実の狭間で
視聴覚室で開かれた特別講演。
修斗:「夢を叶えるには、挑戦と覚悟が必要です。そして――“誰とその夢を見るか”も」
苑香:「私は高校の頃、何度も迷いました。でも、そのたび隣にいたのが修斗でした。信じ合う力は、夢を超えると思っています」
生徒たちは食い入るように聞き入り、拍手の中には涙を拭う姿も。
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◆校舎巡りと“あの教室”
文化祭の催しを回りながら、2人は懐かしい場所を巡る。
修斗:「ここの階段で、よくお前に追いかけられたな」
苑香:「私は図書室で、あなたのノート借りてたっけ」
修斗:「…最後に寄っておくか、“3年C組”」
教室の扉を開けた瞬間、2人とも言葉を失う。
そこには、かつての自分たちの席に、当時の制服を着た等身大の人形と、
その後ろには「先輩たちへ」と書かれた感謝のメッセージが並んでいた。
「先輩たちの姿が、私たちの“目指す未来”です。」
苑香:「…こんなに見てくれていたんだね」
修斗:「やば…泣くわ、これ」
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◆サプライズステージ
最後に2人は、体育館ステージでスペシャルトーク。
しかし――そこにはもう一つのサプライズが待っていた。
生徒たち:「♪~Happy Wedding~」
教室棟の窓からは、全クラスが協力して作った巨大な「おめでとう幕」。
そこには「ご結婚&ご家族、心からおめでとうございます!」の文字。
修斗:「俺ら…結婚も、家族のことも…隠してたのに」
苑香:「それでも…こんなふうに、祝ってくれるなんて」
2人はステージ上で手を繋ぎ、深く一礼した。
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◆エピローグ:帰り道の校門前
夜になり、文化祭は幕を下ろした。
5人の子どもたちと一緒に校門を出ると、蒼空がぽつり。
蒼空:「ここが…パパとママの“はじまりの場所”なんだね」
苑香:「そう。私たちのすべての物語は、ここから始まったの」
修斗:「でもな、これで終わりじゃない。これからも、ずっと続いていくんだ。俺たちの家族の物語は――」
桜の木の下、手を繋いで歩く佐野家。
そしてその背中に、後輩たちの拍手とエールが優しく降り注いでいた――。




