第2話「学園祭での再会」
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11月。各大学のキャンパスが、賑やかな笑い声と音楽に包まれる季節。
舞が通う国立大学でも、学園祭が開かれていた。彼女は実行委員として奔走しながら、忙しい日々を送っていた。
「舞先輩、屋外ステージの音響トラブル、確認お願いします!」
「了解! すぐ行く!」
仲間からの信頼も厚く、舞は大学生活を精一杯楽しんでいた。それでも、心のどこかで、あの日届いた芽依からのメールが気になっていた。
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その日、舞の大学にふいに訪れたのは──健太だった。
「……健太!? 本当に来たの?」
「舞に会いに来たって言ったら、案内してくれる学生がめっちゃ丁寧だったわ。芸能人扱いでちょっと照れたけど。」
健太は相変わらず明るくて、でも以前よりもどこか落ち着いた雰囲気をまとっていた。
舞は学内を案内しながら、自然と笑顔を取り戻していた。
「大学、楽しいよ。だけど…なんかやっぱり、ちょっと物足りない。」
「そっか。俺も……海外は刺激的だったけど、やっぱり日本の“空気”が好きだよ。とくに、シェアハウスの匂い。」
二人は笑いながら、屋台のたこ焼きを一緒に食べた。
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一方その頃、葵蘭も舞の学園祭に顔を出していた。
「マネージャーには内緒ね。ちょっとくらい、休んだっていいでしょ?」
大きなサングラスにキャップを深くかぶっていたが、学園内では少しずつ注目され始めていた。
そして──舞と健太の元に、ふらりと現れる。
「二人とも……久しぶり。」
「あ、葵蘭!? マジで来たの!?」
「だって、舞のLINE見たら、行きたくなったんだもん。」
三人は自然と輪になり、肩を寄せて話し始めた。まるで、あの頃の夜のリビングのように。
「……で、傑は?」
舞がふと口にする。
「合宿中なんだけどね。たぶん、来る。」
舞の言葉通り、その日の夕方。
ユニフォーム姿のまま、傑が学園の門をくぐった。
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夕暮れ時、四人はキャンパスの裏手の芝生に集まっていた。
夕日に照らされた空の下、4人は静かに語り合った。
「こうしてまた集まれるなんて、思ってなかった」
「距離は離れてても、やっぱり“心”は近かったんだよね」
「みんな、それぞれ頑張ってるの、わかるから……また元気になれる」
「……次は、ちゃんと“あの家”で、再会しよう」
傑が言ったその言葉に、誰もがうなずいた。
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学園祭の夜。花火が打ち上がる。
4人は、空を見上げながら、それぞれの胸に強く誓った。
また、集まる日まで。
それぞれの“今”を、全力で生き抜こう──と。




