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次世代編・新章 「秘密のシェアハウス Next」


第一章:ふたたび、あの場所で


舞台は、十数年後の春。

高校生になった紬は、シェアハウスの前に立っていた。

その横には、荷物を抱えた数人の若者たち。


紬(高校2年):「……じゃ、ここが“伝説の場所”ってわけね」


陽翔(桜木ホテルグループ後継/爽やか系):「うちの親たちも住んでたんだよな、ここ。てか、親バカエピソードしか聞いてないけど」


凛花(舞と傑の娘/真面目で努力家):「なつかしい。小さいころ、よく来てたもんね」


悠翔(葵蘭と健太の息子/明るいムードメーカー):「で? これからこの家で“共同生活”するって、本気? ドラマみたいなこと、あり得る?」


鷹真(財閥後継の超エリート/無口):「現に俺は親に“行ってこい”と言われた」


璃子(韓国帰りのモデル/気さくで自由人):「親たち、絶対狙ってるよね、“次のシーズン”みたいなの……ふふっ」


新たな8人の若者が、このシェアハウスに集まっていた。

それぞれが“あの時代”の子どもたち。

そして今、自分たちの物語を始めようとしていた。



第二章:再会とすれ違い


最初の一週間。

どこか他人行儀で、過去の親同士のつながりが重くのしかかる。


紬:「ねぇ、私たち、何をしにここに来たんだろうね?」


凛花:「親たちの期待に応えるため、じゃない?」


悠翔:「……それ、重いなぁ」


だがそんな中、ふとした一瞬が空気を変える。

共に料理をしたり、深夜の屋上で語り合ったり――

少しずつ「過去」ではなく「今の自分たち」で関係を築きはじめる。


璃子:「ねぇ、ここが“私たちの居場所”になるって、悪くないかも」


陽翔:「伝説は超えるためにあるってね」



第三章:紬の想い、凛翔の背中


ある日、紬は実家に帰り、父・凛翔とゆっくり話す時間を持つ。


紬:「パパさ……あのシェアハウスで、何を得たの?」


凛翔:「ん? そうだな……仲間。恋。家族。そして、誰かのために生きたいって思えたこと」


紬:「……私も、いつかそうなれるかな」


凛翔は笑って言う。


「もうなってると思うよ。君がそのシェアハウスに立って、誰かと笑い合ってる時点で」


その言葉に、紬の中の“なにか”が静かに芽吹いていく。



第四章:想いの交差点


友情、恋、すれ違い、誤解、親との確執。

シェアハウスではそれぞれの心が揺れ始めていた。

•紬は陽翔に淡い恋心を抱き始めるが、それを言い出せずにいた。

•陽翔は璃子の自由さに惹かれるが、心の奥では紬のまっすぐさに救われていた。

•凛花と悠翔はぶつかり合いながらも、不思議と互いを気にし合っている。

•鷹真は口数少ないながらも、璃子にだけ見せる“本音”を抱えていた。


そして、それぞれの親たちがひそかに見守る中、若者たちは“本当の想い”と向き合う決断を迫られる。



第五章:未来の選択


季節は秋。

シェアハウスでの生活も後半に差し掛かる。


ある夜、屋上に集まった8人は語り合う。


「ここでの時間、ぜんぶ嘘みたいだったけど――」


「だけど、本当に……大切な時間だった」


「過去じゃなくて、“今”の私たちの物語なんだよね」


紬は、小さな声で言った。


「ここで出会えてよかった。私は、きっと……ここからまた、歩き出せる」


そしてその夜。

若者たちは、それぞれの想いと未来に向かって、新たな一歩を踏み出していった。



第六章:すれ違う恋、揺れる心


ある夜、陽翔は屋上で紬とふたりきりになる。


紬:「ねぇ、陽翔ってさ、昔からずっと……みんなに優しいよね」


陽翔:「……それって、悪いこと?」


紬:「ううん、でも……私だけに向けられる優しさじゃないんだって、わかってるから……たまに、苦しくなる」


陽翔は黙ったまま空を見上げた。

彼の優しさは誰にでも平等で、そのぶん距離があった。


しかしその夜、陽翔はふと紬の手に触れ、静かに言った。


「……紬にだけ、本音を言える自分でいたいと思ってる。それだけは、本当だよ」


紬の瞳に、少しだけ光が戻った。



第七章:夢、語れない理由


一方、悠翔は凛花とすれ違い続けていた。


悠翔:「俺、進路とか決めたくねぇし。どうせ親のレールだし」


凛花:「自分の言葉で戦ってない人に、“夢”を語ってほしくない」


冷たい言葉に、悠翔は何も言い返せなかった。


それでも数日後――凛花が誰もいないリビングで、自分のノートにびっしりと夢を書き連ねているのを、悠翔は偶然目にする。


「……凛花。お前、すげぇな」


彼はその時初めて、自分の“弱さ”から逃げていたことに気づく。



第八章:璃子と鷹真、ふたつの孤独


自由奔放な璃子。

口数少ない鷹真。


誰もが交われなかったはずのふたりが、ある夜だけは静かに交差した。


鷹真:「……俺の親は、家のことしか考えてない。“生きたいように生きろ”って一度も言われたことない」


璃子:「私の親は逆。“自由に生きろ”って。それが、かえって怖かった」


ふたりは不器用に、お互いの孤独を埋め合った。


璃子:「じゃあさ、私たちで、真ん中の道を探そうよ。自由と責任の、ちょうどいいところ」


鷹真は、はじめて璃子の手を握り返した。



第九章:紬の決断、陽翔の答え


文化祭の準備中、紬は思い切って陽翔に想いを告げる。


紬:「私ね、陽翔のことが……ずっと好きだった。でも、陽翔は誰にでも優しいから、たぶん私は選ばれないって思ってた」


陽翔はしばらく黙ってから、静かに紬に向き直る。


「……俺さ、好きってなんなのか、正直ずっとわからなかった。でも今、わかるよ」


「“紬じゃなきゃダメだ”って思える人が、好きなんだって」


そして、ふたりはそっと手を重ねる。



第十章:親たちと、再会の日


シェアハウスでの生活が終わる日、8人の親たちが集合した。


健太:「うちの悠翔、少しは成長したかな?」


葵蘭:「“少し”どころか、立派になったじゃない」


舞:「凛花も、自分の夢をちゃんと語れるようになった。感動したよ」


傑:「よかったな。俺たちの背中、ちょっとは役に立ったってことかも」


陽葵:「紬が……笑って“またね”って言えたの、ほんと久しぶりだった」


凛翔:「家族って、血じゃなくて、時間と絆だな……って、改めて思ったよ」


そして、若者たちはそれぞれの夢へと旅立っていく。



エピローグ:その後の未来


数年後。


紬と陽翔は大学を卒業し、社会人として共に歩み始めていた。


璃子と鷹真は国際的な舞台で活動しながら、遠距離でも関係を続けている。


悠翔と凛花は、教育と映画の世界で、それぞれの道を歩みつつ、ときに一緒に仕事をしている。


そして――

あのシェアハウスは、今もなお誰かを迎え入れ、静かにその歴史を紡ぎ続けていた。


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