『家族で届ける、ありがとうの歌 ~文化祭・一日限りのステージ~』
◆舞台は、長男・蒼空の中学校文化祭
中学2年生になった蒼空の通う学校では、毎年恒例の「地域公開文化祭」が開かれる。
今年のテーマは――
**「未来へつなぐ、感謝のハーモニー」**
生徒だけでなく、家族や地域の人も出演OK。
その中で蒼空が手を挙げた。
蒼空:「家族でステージに出たい。パパとママと、弟たち、妹たちと一緒に歌いたいんだ」
先生:「えっ、あの佐野修斗さんと蝗苑香さんが!? 本当に……?」
こうして、特別ステージ【ファミリーライブ】が急遽決定した。
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◆準備期間:自宅がスタジオに
放課後、自宅リビングにはマイクとキーボード、譜面台。
子どもたちも楽器や歌に挑戦!
修斗:ギター&ボーカル
苑香:ピアノ&コーラス
蒼空:主旋律ボーカル
花音・冬翔・陽葵・月詩:タンバリン、手拍子、ハモリ
修斗:「ちゃんと声を前に出して歌ってみ」
苑香:「花音、リズムずれてない? もう一回!」
蒼空:「パパもママも、レッスンだと本気すぎ!」
笑いながらも、全員が“最高の家族ステージ”を目指して練習を重ねていった。
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◆文化祭当日:注目のファミリーステージ
午後1時。体育館のステージ前には、地域住民、生徒、先生、保護者で満員。
カメラを構えるテレビ局もひとつ。
「元スター夫婦と5人の子どもたちによる、地域初のファミリーライブ」として話題に。
司会:「それではお待たせしました。『佐野ファミリー』による、一日限りのスペシャルライブです!」
ステージに立つ家族7人。
緊張しているのは蒼空だった。
修斗:「大丈夫。目を閉じて、いつものリビングを思い出せばいい」
苑香:「どこにいても、私たちは“家族”でひとつだから」
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◆セットリスト:3曲の家族の物語
1曲目:「にじ」(童謡)
→双子の陽葵・月詩が中心となって歌う。会場からは「かわいい~!」の声。
2曲目:「家族になろうよ」(福山雅治)
→花音と冬翔が手話を交えながら。観客の目が潤む。
3曲目:「ありがとうの詩」(蒼空 作詞/家族共同作曲)
→蒼空が想いを込めて書いた歌詞。
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◆ラストのサビ、全員の声が重なる
蒼空(歌詞抜粋)
「ママの笑顔が朝を照らして
パパの背中が僕の道になる
ケンカも涙も超えてきたから
今日の僕らがここにいる――」
苑香のピアノがサビへ入る。
修斗のギターがリズムを引き寄せ、
子どもたちの声が、ひとつになる。
観客の保護者がハンカチで涙をぬぐい、
先生たちが頷きながら見守る。
体育館の天井に響く、7人の声。
それは、何よりもあたたかくて、何よりも本物の“家族のハーモニー”だった。
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◆アンコール後:舞台袖での家族の会話
花音:「ママ、今日の演奏どうだった?」
苑香:「世界一、最高のステージだった」
修斗:「次は“全国ツアー”かもな」
蒼空:「……またやろう、みんなで」
子どもたちが笑い、両親が静かに微笑む。
芸能人だった2人が、家族のステージを歩んでいく――
そんな新しい未来が、ここからまた始まっていた。
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◆ナレーション
「拍手もライトもいらない。
子どもがいて、家族がいて、歌がある――
それだけで、人は舞台に立てる。」
エンディング曲:Little Glee Monster「My Best Friend」
――終――




