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秘密のシェアハウス【大型長編版】  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
【特別編⑵】(修斗と苑香視点)
116/138

『家族で届ける、ありがとうの歌 ~文化祭・一日限りのステージ~』


◆舞台は、長男・蒼空そらの中学校文化祭


中学2年生になった蒼空の通う学校では、毎年恒例の「地域公開文化祭」が開かれる。


今年のテーマは――

**「未来へつなぐ、感謝のハーモニー」**


生徒だけでなく、家族や地域の人も出演OK。

その中で蒼空が手を挙げた。


蒼空:「家族でステージに出たい。パパとママと、弟たち、妹たちと一緒に歌いたいんだ」

先生:「えっ、あの佐野修斗さんと蝗苑香さんが!? 本当に……?」


こうして、特別ステージ【ファミリーライブ】が急遽決定した。



◆準備期間:自宅がスタジオに


放課後、自宅リビングにはマイクとキーボード、譜面台。

子どもたちも楽器や歌に挑戦!


修斗:ギター&ボーカル

苑香:ピアノ&コーラス

蒼空:主旋律ボーカル

花音・冬翔・陽葵・月詩:タンバリン、手拍子、ハモリ


修斗:「ちゃんと声を前に出して歌ってみ」

苑香:「花音、リズムずれてない? もう一回!」

蒼空:「パパもママも、レッスンだと本気すぎ!」


笑いながらも、全員が“最高の家族ステージ”を目指して練習を重ねていった。



◆文化祭当日:注目のファミリーステージ


午後1時。体育館のステージ前には、地域住民、生徒、先生、保護者で満員。


カメラを構えるテレビ局もひとつ。

「元スター夫婦と5人の子どもたちによる、地域初のファミリーライブ」として話題に。


司会:「それではお待たせしました。『佐野ファミリー』による、一日限りのスペシャルライブです!」


ステージに立つ家族7人。

緊張しているのは蒼空だった。


修斗:「大丈夫。目を閉じて、いつものリビングを思い出せばいい」

苑香:「どこにいても、私たちは“家族”でひとつだから」



◆セットリスト:3曲の家族の物語


1曲目:「にじ」(童謡)

→双子の陽葵・月詩が中心となって歌う。会場からは「かわいい~!」の声。


2曲目:「家族になろうよ」(福山雅治)

→花音と冬翔が手話を交えながら。観客の目が潤む。


3曲目メイン:「ありがとうの詩」(蒼空 作詞/家族共同作曲)

→蒼空が想いを込めて書いた歌詞。



◆ラストのサビ、全員の声が重なる


蒼空(歌詞抜粋)

「ママの笑顔が朝を照らして

パパの背中が僕の道になる

ケンカも涙も超えてきたから

今日の僕らがここにいる――」


苑香のピアノがサビへ入る。


修斗のギターがリズムを引き寄せ、

子どもたちの声が、ひとつになる。


観客の保護者がハンカチで涙をぬぐい、

先生たちが頷きながら見守る。


体育館の天井に響く、7人の声。


それは、何よりもあたたかくて、何よりも本物の“家族のハーモニー”だった。



◆アンコール後:舞台袖での家族の会話


花音:「ママ、今日の演奏どうだった?」

苑香:「世界一、最高のステージだった」

修斗:「次は“全国ツアー”かもな」

蒼空:「……またやろう、みんなで」


子どもたちが笑い、両親が静かに微笑む。


芸能人だった2人が、家族のステージを歩んでいく――

そんな新しい未来が、ここからまた始まっていた。



◆ナレーション


「拍手もライトもいらない。

子どもがいて、家族がいて、歌がある――

それだけで、人は舞台に立てる。」


エンディング曲:Little Glee Monster「My Best Friend」


――終――


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