表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

82/101

第81話「溜める力 vs 放つ力」

轟音と共に、エンガの拳がゼクスへと迫る。


「うおおおおッ!!」


ブーストが全開で発動し、エンガの体を音の壁が包んだ。拳が空を裂き、圧力波がコロシアム全体を揺らす。


だが、ゼクスはその一撃を軽やかに受け止めた。まるで、衝撃そのものを吸い取ったかのように。

「猪突猛進じゃ、エンガお前は俺に勝てない」


エンガは息を荒げながら睨みつけた。


「なんだと?」


ゼクスは一歩下がり、静かに右手を掲げる。

その手のひらに、淡い光が宿った。


「もう隠す必要もないか…俺の魔法――それは、チャージ(気合溜め)


「チャージ……?」


聞き慣れた言葉に、何か嫌な予感を覚えた。


ゼクスは淡々と続けた。


「お前の“ブースト”が、一瞬の爆発力を生み出す能力なら……俺の“チャージ”は、溜めた力を何倍にもして放つ。似ているようで、本質は真逆だ」


その言葉と共に、ゼクスの体から、見たこともないほどの魔力が放出される。

空気が震え、地面が割れた。観客の歓声が一瞬で静まり返る。


「同系統の……力?」


エンガの瞳が揺れる。

“速度”と“蓄積”――二つの力が今、真っ向から衝突しようとしていた。


「さぁ、どちらが“限界”を超えられるか、試してみようじゃないか」


ゼクスの瞳が紅く光る。その姿は、もはや人ではなかった。


――一方そのころ、現実世界。


日本政府の防衛会議室は、すでに混乱の渦中にあった。

「アメリカから!? 核の発射を――?」

「はい、日本上空を通過予定です!」

官僚たちは顔を青ざめさせながらも、すでに“脱出命令”を受け取っていた。


一部の政府関係者は、家族と共にこっそり国外へ逃亡を始めている。

その事実が、瞬く間に裏ルートからグラウィスたちへと伝わった。


コロシアムのブレイズが歯を食いしばる。

「……自分たちが助かればそれでいいのかよ……!」


拳を椅子に叩きつけ、唇を噛む。


「クソが……!」


誰もが“この世界”を救おうとしている中、

“現実の世界”は、静かに終わりへのカウントダウンを始めていた。


そして――コロシアムでは、二つの力がぶつかり合う。

ブーストの閃光と、チャージの轟雷。


その衝突が、この世界と現実、両方の運命を変えることになるとは、まだ誰も知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ