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第44話 「11位と10位の双子姉妹」

エンガは、次なる舞台──円形の巨大コロシアムへと足を踏み入れた。白亜の石造りに囲まれた観客席はすでに満員で、次なる激戦を待ち望むプレイヤーや観客の熱気が渦巻いていた。


対戦相手はすでに告げられている。

≪11位&10位──双子の流星(ジェミナス)

二人同時に相手取らなければならない、過酷な条件だった。


「……二人がかりかよ。面倒な連中を残してくれやがって」


苦笑しながら拳を握ったその時だった。視線の端に、観客席へ入っていく一人の女性の姿が映った。


──ルミナ。


髪をかき上げながら階段を上っていくその後ろ姿に、エンガの心臓が跳ねた。


(……あいつに、似てる)


記憶の奥底に眠る影。かつて隣に立っていた“彼女”の面影。現実でも、ゲームでも、自分を突き動かしてきた存在。


「……まさかな」


小さく呟き、首を振る。今は考えてはいけない。

目の前に待つのは、ランキング二枠分を占める強敵たち。ほんのわずかでも意識を逸らせば、今度こそ命取りになる。


その証拠のように、コロシアム中央の転送陣から二人の影が現れる。

金の長髪を揺らす姉と、銀の短髪を持つ妹。左右対称の衣装を纏い、同時に口を開いた。


「挑戦者、エンガ。ここから先は、二人の壁を越えねばならない」


「私たちを打ち破らぬ限り、トップ10の座には届かないわ」


声も、仕草も、まるで鏡写し。観客が一斉に歓声を上げる。


エンガはゆっくりと構えを取った。

胸の奥でまだルミナの姿がちらついている。だが、それを振り払うように拳を突き出し、強く息を吐いた。


「上等だ……二人だろうが三人だろうが、俺の(タマシイ)でぶち破ってやる」


双子姉妹が同時に笑みを浮かべた瞬間、試合開始の鐘が高らかに鳴り響いた──。

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