表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/101

第42話「奈落の底で」

崩壊した大地の裂け目を、二人は黒い奈落へと落ちていった。

グラウィスは咄嗟に手をかざし、自身を無重力に変える。巨体がふわりと宙に浮かび、ゆっくりと沈んでいくはずの体は、逆に落下を免れた。


「……これで勝負は決まったな、エンガ!」


グラウィスが勝利を確信したように言い放つ。だが下方を見れば、エンガは加速度を増しながら真っ逆さまに落ちていた。


しかし、その顔は恐怖ではなく闘志に燃えていた。

「まだだ……!」


エンガは落下の最中、周囲を飛び交う岩の破片に目を光らせる。崩壊した大地の破片が大小さまざまに浮遊し、空気の抵抗で舞い上がっていたのだ。その一つに手を伸ばし、蹴り、また掴む。まるで足場を駆け上がるかのように、次々と破片を利用して上昇していく。


「バカな……落下を逆利用だと!?」


驚愕するグラウィスをよそに、エンガは勢いを乗せながらさらに高みへ。ついには最上部に漂う巨大な岩塊へとたどり着いた。両腕を突っ込み、ブーストで筋肉を爆発的に強化する。


「壊せないなら……押し込むまでだッ!!」


雄叫びと共に、巨岩がグラウィスの方向へと放たれる。無重力で浮いていたグラウィスは、迫りくる影に目を見開いた。


「ぐっ……!!」


巨岩の質量を受け止めるも、浮力に近い無重力の力場では支えきれない。押し戻され、浮島の外縁へと追いやられていく。


「やめろおおお!!」


その絶叫も虚しく、グラウィスの巨体は岩ごと場外へ弾き飛ばされた。


システムのアナウンスが響く。

≪勝者──エンガ≫


落下の勢いを逆転の一手に変えたその瞬間、観戦者たちは息を呑み、そして大きな歓声を上げた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ