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第41話 「ヒビ割れた大地」
グラウィスの力場が発動し、巨体は大地に根を張るように沈み込んでいた。エンガの拳を受けても揺るがぬその姿は、まさに動かぬ山。だが、エンガは退くことなく、鋭い視線で足元を見下ろした。
――ヒビだ。
グラウィスの力場が地面に過度の負荷をかけ、その周囲に蜘蛛の巣のような亀裂が走っていた。エンガはわずかに口角を上げる。
「……なるほどな」
グラウィスが不思議そうに眉をひそめる。
「地面を叩いてどうした?」
エンガは拳を握り直し、笑みを浮かべて答えた。
「気が付かないか? 地面が今どうなってるか」
そう言うと同時に、拳を振り下ろす。轟音と共に地面が炸裂し、衝撃がグラウィスを中心に放射状へと広がった。足元に大きな裂け目が走り、地盤そのものが沈み込む。
「なに……!?」
巨体を固定していた大地が崩れ、支えを失ったグラウィスの足場が揺らぐ。
しかし、エンガが安堵する間もなく、地面は一気に大穴を開け始めた。
「やべっ!」
自分の立っていた足場までも崩壊に巻き込まれ、重力が一気に身体を引き込む。
グラウィスの口元に、鋭い笑みが浮かんだ。
「残念ながら――お前も一緒に落ちろ!」
轟く崩落音と共に、大地が崩壊する。二人の影は黒い亀裂の奥へと飲み込まれていった。




