表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/101

第37話「グラヴィス戦開幕」

試合開始の合図と同時に、エンガは敵の掌に触れてしまった。

瞬間、身体がふっと軽くなる。足が地を離れ、上下の感覚すら曖昧に──


「これが、無重力……!」


彼の頭に過るのはやばいの3文字。だが次の瞬間、鋭く声を張り上げる。


加速(ブースト)!」


赤い光がエンガの足元を走り抜けた。宙を漂いながらも、彼は必死に足をばたつかせる。

その姿はまるで水面を泳ぐ魚のようだが、確かな推進力を得ていた。


「ははっ!今回はゼクスに色々きいてたんでな!」


エンガの瞳が爛々と輝く。

グラディエーターファイターズ──このゲームは空気や熱まで物理演算されている。

たとえ重力が奪われても、周囲に空気がある限り、それを蹴って力に変えることができる。


「……なるほど、ブーストで足の速度を上げ、空気を“掻き”ながら移動しているのか」


グラヴィスが低く呟いた。

その余裕の声は、獲物を観察する捕食者のものだ。


「だが子供の遊びに付き合う気はないのでな」


地面に手をかざすと、一本の大木がふわりと浮かび上がる。重力から解き放たれ、質量だけを持つ巨木は、彼の指先一つで飛翔した。


「いけ…」


質量兵器と化した木が唸りを上げ、無重力空間に浮かぶエンガめがけて放たれる。


「チッ、やっぱり来るか……!」


空気を蹴る足は限界に近い。それでもエンガは口元を歪める。


「質量がデカい相手なら、工夫しねぇとどうしようもねぇ……か」


グラヴィスの瞳に冷徹な光が宿る。


「無重力は“自由(未知への恐れ)”じゃない──“制御不能(ゼロ・グラビティ)”だ。抗えぬまま押し潰されろ!」


試合開始直後、早くも決定的な一撃が迫る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ