34/101
第33話:「拳と拳」
「だが、チマチマした工夫なんざよ……効かねぇんだよ!!」
レイジの全身は鉄に覆われ、拳の一撃ごとに地鳴りが起きる。エンガは再び構えを取ったが、その瞬間──
「……ええい、面倒だ!!」
頭の中で巡らせていた作戦を投げ捨てた。エンガの瞳に宿るのは、ただ一つの信念。
「俺の拳で、真正面からぶっ倒す!」
観客席がどよめいた。誰もが呆然とする。だが、レイジはその姿にむしろ歓喜の咆哮を上げる。
「そう来なくちゃなァァ!!」
鉄と肉の拳が真正面から激突!
ズガァァァァァンッ!!
衝撃でリングの床が弾け飛び、観客の頬を風が切る。互いの拳が食い込み、肉が裂け、鉄が軋む。
「ぐぬぬぬぬ……まだまだだ!!」
「ハァァァァァッ!!!」
二撃目、三撃目、四撃目──。
もはや理屈も戦略もない。ただ、魂を込めた拳と拳がぶつかり合い続ける。
観客席の誰かが震える声でつぶやいた。
「……これが、本物のバトルってやつか」
そして次の瞬間、互いの拳が最後の一撃を描く──!




