第28話「愛と勇気と…ゴリ押し」
「鉄壁の愛!」
ジーンが腕を払うと同時に、眼前に荘厳な氷の盾が出現する。まるで氷の薔薇を幾重にも重ねたような、美しくも重厚な守りの結晶。
「さあ、私の愛を打ち砕けるものならやってごらんなさい──子猫ちゃん♡」
「お言葉に甘えて!」
エンガは高く跳躍し、渾身のジャンプパンチを盾へ叩き込む!
──ガァンッ!!
だが、氷の盾は微動だにしない。
「フフ……私の愛は、無限で・絶対で・永遠……あら?」
──ピキ……ピキキ……
ジーンが言葉を続けるよりも早く、氷の盾に細かなひび割れが走る。
「……なに?」
「悪いな」
エンガは地面を蹴って再び跳躍する。
「ブースト! ブースト! ブースト! ブーストォォッ!!」
拳に魔力を集中、赤く発光した腕が連続ブーストによる超圧縮の衝撃を生み出す!
その拳は、まるで魔力式パイルバンカー!
──ドゴォォォン!!
一撃ごとに、盾が砕け、氷の粒子が弾け飛ぶ!
「私の愛の盾が……!?」
「悪ぃな、俺の"愛"の方が熱かったみたいだなぁ!!」
盾が砕け散ったその瞬間、エンガは空中で身体をひねる。
「これで……トドメだッ!!」
高回転から繰り出される、落雷のごとき回転キック──つまりは!ライダーキック!!
直撃を受けたジーンは吹き飛ばされ、地面に崩れ落ちた。
──静寂。
「勝者、焔牙!!」
観客席がざわめきと共に大歓声に包まれる。
エンガは汗を拭いながら、疲れ切った表情で笑った。
「……ふぅ。派手にいきすぎたな……」
ジーンは倒れながらも、微笑を浮かべる。
「フフ……見事だったわ、子猫ちゃんじゃなくて……もう、立派な猛獣ね♡」




