第19話 「激闘ピノン」
混乱と死闘のバトルロイヤル、その中央エリアの一角──
焔牙は、岩陰に身を潜め、しばしの静寂を得ていた。
(ここで無理に動けば、狙われる……数を減らしてから動くのが得策だ)
だが──その目論見は、呆気なく崩れ去る。
──ドゴォッ!!
轟音とともに、エンガの背後の岩が粉砕された。
「うおっ……!」
吹き飛ぶ破片の中から、姿を現す影。
「……あんまりがっかりさせないでくれよ、エンガ!」
──ピノンだった。
その姿は余裕に満ち、だが“獣のような眼光”だけが本気を物語っていた。
「……見つかったならしゃあない、やるか」
エンガは静かに立ち上がり、構える。
「そうだ。それで良い」
ピノンは笑う。
「オレは見たいんだよ、“あのゼクス”が一目置いたっていう男の戦いを──!」
開幕、一瞬の交差ピノンの拳が唸りを上げ、エンガの横顔を掠めた。
「ッ……!」
すぐに反撃を返すが、ピノンは軽く受け流す。
「悪くない、でもまだまだ!」
──ピノンの膝蹴り!エンガは辛くもガードするが、衝撃は重い。
(こいつ……一撃一撃が重すぎる!)
ピノンは“パワー”と“スピード”を高水準で両立したオールラウンダー。
加えて、戦場での間合いの取り方が異常にうまい。
「隙がない、こいつ……!」
花散る応酬
エンガは考える。
(正攻法じゃ削りきれない……だったら)
「……こっちから崩す!」
フェイント→低空ブースト→真上からのかかと落とし!だが──
「読めてるぜ!」
ピノンは逆にそれを利用し、空中の焔牙をカウンターで叩き落とす!
「ぐっ……!」
「どうした? もう終わりか?」
ピノンが笑う。だがその目に、油断はない。
エンガは地を這いながら立ち上がる。
「……終わるわけ、ねぇだろ……!」
(ここで負けたら、1000ポイントなんて夢のまた夢だ……!)
焔牙は魔力を一点集中させる。
「こうなりゃ"襲撃強化──第二段階"!!」
全身に赤いオーラが走る。しかしこの状態は、魔力消耗が激しく長くは続かない
「おおっ、来たかよ……!」
ピノンの目が見開かれる。再び、激突!!速度、火力、反応──全てが最大!
「これが……!俺の“全力”だあああッ!!」
──ドガァァァァン!!!
互いの拳がぶつかり合い、衝撃波が周囲を薙ぎ払った!!
岩が砕け、地面が抉れ、二人は距離を取って立ち尽くす。
肩で息をするエンガと、口元を吊り上げるピノン。
「……いいね。ちゃんと“牙”を剥けるじゃねぇか」
戦場の中央で、本物の闘志がぶつかり合う!




