第17話「見渡す限り全員敵!」
試合形式が告げられた瞬間、会場中にどよめきが走った。
「バ……バトルロイヤル……!?」
焔牙も思わず声を上げる。
彼の背後で、他の参加者たちも一斉にざわめいた。今回提示されたのは──予想を大きく裏切る特殊形式だった。
「試合形式:50人バトルロイヤル」
「勝ち残った1人には100ポイント。敵プレイヤーを1人撃破するたびに**+10ポイント**」
つまり──
「周囲、全員敵ってことか……!」
焔牙の背筋に、冷たい緊張が走る。
戦術も、チームプレイも、連携も──すべてが一時的な裏切りの可能性を孕むこの形式。
信じられるのは己の実力と反射神経、そして"賭け"のタイミングだけ。
「……あーあ、これは荒れるぞ」
隣に立つのは、以前に名乗った男──ピノン。
「ただでさえ猛者が集まってるんだ。全員、本気でポイント狙ってくるぜ?」
「……上等だ」
焔牙はゆっくりと構えた拳を握りしめ、瞳を燃やす。
「全員倒して、まとめて1000ポイント稼ぐ……!」
「ははっ、相変わらず無茶苦茶だな、お前は」
ピノンは楽しげに笑いながらも、少しだけ後ろへ下がる。
どうやら彼は、バトルロイヤルの“立ち回り型”らしい。
そして──その様子を遠くから見守る男がいた。
「……ふっ」
フィールドモニターの影に立つ、ゼクス。
焔牙の立ち姿を見て、口元に小さく笑みを浮かべる。
「やはり……面白い」
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そして──
「バトルロイヤル、開始!!」
──銅鑼の音が鳴り響いた瞬間、戦場は一気に“混沌”と化した。
「うおおおお!!」 「まずは手近な奴から狩るぞ!」 「くそっ、囲まれる……!」
50人以上が同時にそして瞬時に動き出す。
魔法の閃光、重い拳撃、飛び交う武器と絶叫。
広大なアリーナが、まるで戦争のような修羅場となった。
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焔牙、冷静な開幕
「……っ、こりゃ予想以上に地獄だな」
焔牙は即座に戦場を分析。
(開幕の正面衝突は消耗するだけ……まずは、混戦の“死角”を突く!)
敵味方入り乱れる中、焔牙はあえて戦線に深入りせず、立ち回りを重視。
各地で、1対1→2対1→漁夫の構図が繰り返される。
「ちっ、どいつもこいつも殺気立ってやがる」
そんな中、焔牙は近くの2人が激突するのを捉える。
──そして、1人が相手にとどめを刺した瞬間!
「もらうぜ!!」
焔牙の脚に魔力が集まる。魔法ブースト発動──踏み込み一閃!
「うぐっ!?」
油断していたプレイヤーが、焔牙のカカト落としで吹き飛ぶ。
すかさず、拳が連打される!
──ズガァッ!
【ポイント獲得:+10】
「……狙い通り、だ」
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襲い来る罠
だが、その直後。
「いいカモだぜ、お前!」
──ズンッ!!
重たい風切音と共に、背後から戦斧が振り下ろされた!
「っ……!」
焔牙は直感で転がり、間一髪で斧を回避。
「この野郎、漁夫の利狙いかよ!」
「言ってろ。さっきのテメェも同じことやってただろうが!」
立ち上がる斧使いの男。巨漢に似合わぬ俊敏な動きと、圧倒的な攻撃力。
(くそっ、今の俺じゃまともにやり合っても分が悪い)
焔牙は後退しつつ、周囲の戦況を見る。
「……なら、利用させてもらうぜ」
その目に、**戦場全体を生かす“立ち回りの意志”**が宿る。
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戦場は、ルール無用の“生存闘技場”──!
撃破数でポイントを稼ぐ者、最後の生き残りを狙う者、潜伏する者、強者狙いのハイエナ……
それぞれが、自分の信じる“勝ち方”で、このバトロワに挑む!




