第14話「最強CPU『Ω』」
「対戦相手──『Ω(オメガ)』、戦闘開始。」
VFGのフィールドが、無機質な光を放ちながら展開される。
現れたのは、漆黒のボディを持つ無表情の戦士。
しかしその立ち姿には、まるで熟練の格闘家のような"殺気"があった。
「……来いよ、オメガ」
夏炉は静かに構える。
「“人間を超えたAI”ってやつが、どれほどのもんか──試させてもらう!」
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「オメガ戦、開幕──」
──ドンッ!
開幕の合図と同時に、オメガの姿が"消えた"。
「……は?」
──刹那、背後に殺気。
──ドガァッ!!!
「ぐっ……!!」
背中に重い衝撃。
夏炉の体が吹き飛び、地面に転がる。
「くそ……速すぎる!」
これまでのAIとは桁違いだった。
動きに無駄が一切なく、しかも“人間的”な反応を持っている。
(まるで、本物の格闘家……いや、それ以上だ)
だが、負ける気はなかった。
「だったら……こっちも本気で行く!!!」
夏炉は魔法ブーストを最大出力へ。
視界が一気にスローモーションのように広がる。
超加速による反撃──!
──ドガッ! ドガッ!
拳と拳がぶつかり合い、戦場は超高速の殴り合いへと変わる。
だが──
(……やばい、こっちのパターンが読まれてきてる)
オメガは“学習型AI”。
夏炉の動きが、次第に通じなくなっていく。
「だったら……"予測不能"で行くしかねぇ!」
夏炉は動きにフェイントと変則モーションを混ぜた。
──正面突撃から急停止、そこからのカウンター。
──左ジャブのフリをしてからの逆回し蹴り。
──背後に下がるフリをして、一気にインファイトへ突入!
ガンマ戦で得た経験が、ここで活きた。
──そして、オメガが一瞬バランスを崩す。
「……もらったァッ!!」
──ドガァァァン!!!
夏炉のカウンターが、オメガの頭部を直撃!!
AIのボディがゆっくりと崩れ落ちていく──
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「Ω、機能停止──勝者、新道 夏炉」
場内に勝利のアナウンスが響く。
夏炉は膝に手をつき、息を荒げながらも拳を握りしめる。
「……やった。ついに“人間を超えたAI”に勝った……!」




