第13話「オメガへの道──アルファ、ベータ、ガンマ撃破!」
「お待ち下さい」
夏路がオメガと戦おうと、足を進めたその瞬間だった。何者かが止めてきたのだ
「訓練モード・高難度AI──アルファ、ベータ、ガンマ。に挑戦し勝つことができれば、オメガと戦うことが出来ます」
VFGの管理AI淡々と告げた。
夏炉は拳を握りしめ、真っすぐにうなずいた。
「そりゃあもちろん……まずは最初の壁からだ」
──最強CPU『Ω(オメガ)』に挑むには、その前に三体の高難度AIを撃破しなければならない。
夏炉は意識を集中させ、VR空間にダイブする。
---
第一戦:アルファ
「開始します。対戦相手──『α(アルファ)』」
現れたのは、漆黒の鎧を纏った標準型の人型AI。
武器は剣。バランス型のスタイルだ。
「標準戦闘プログラム起動──攻撃開始」
──シュンッ!
アルファが一瞬で間合いを詰め、鋭く剣を振り下ろす。
「速い……!」
夏炉はすんでのところで横へ飛び退き、反撃の拳を繰り出す。
「加速──カウンター対応」
しかし、アルファはそれすら読んでいた。
剣が軌道を変えて襲いかかる。
「……読まれてる!?」
刹那の見切りで回避し、夏炉は一か八かのカウンターを繰り出した。
──ドガッ!
「……よしッ!」
拳がアルファの頭部に命中。
AIは短くフリーズし、そのまま倒れる。
「勝者、新道 夏炉」
「まずは1体目クリアだ……!」
---
第二戦:ベータ
「次の相手──『β(ベータ)』」
ベータは、巨躯の戦士型AI。
武器はハンマー。圧倒的な破壊力と防御力を誇るパワー型だ。
「重戦闘モード起動──攻撃開始」
──ドゴォォォン!!
振り下ろされたハンマーが地面を砕く。
「一発でも当たれば、終わる……!」
夏炉はスピードを上げて回避を繰り返すが、ベータの装甲は厚く、攻撃が通らない。
「なら、弱点を狙うしかない──!」
ブースト魔法で背後へ回り込み、狙いは「膝」。
──ズガッ!
「効いた……!」
バランスを崩したベータに、夏炉は渾身の拳を叩き込む。
──ドガァァン!!
「勝者、新道 夏炉」
「ふぅ……二体目も突破!」
---
第三戦:ガンマ
「次の相手──『γ(ガンマ)』」
登場したのは、細身のAI。
武器は二刀流のブレード。スピード特化型の構成だ。
「超高速戦闘モード起動──攻撃開始」
「……はえぇ!!」
残像を伴って駆け回るガンマ。
その速さは、夏炉の視認能力すら超えていた。
──シュッ、シュバッ!
肩を掠める一撃。
夏炉はカウンターを狙うが、攻撃が当たらない。
「こいつ、動きにパターンがねぇ……!?」
完全に"不規則"な戦闘アルゴリズム。
読み合いすら不可能。
「だったら、こっちも“予測不能”になってやる……!」
フェイント、急停止、ステップイン、スウェイ──
夏炉はあらゆる揺さぶりを使い、"無軌道"を演じた。
──そして、ガンマの動きが乱れた一瞬。
「もらったッ!」
──ドガァァン!!!
カウンターの蹴りが直撃し、ガンマが崩れ落ちる。
「勝者、新道 夏炉」
「……はぁ、はぁ……ギリギリだった……!」
---
そして──最強CPU『Ω』へ
「おめでとうございます。最高難度AI『Ω(オメガ)』への挑戦資格を得ました」
夏炉の前に、新たな訓練フィールドが出現する。
光が収束し、重厚な扉が静かに開く。
「……ついに来たか」
これまでとは明らかに空気が違う。
対戦相手は、“人間を超えるために創られたAI”
──『Ω』
夏炉は拳を握り、静かに言った。
「やるしかねぇ……!」




