第11話:「敗北の先へ──プロゲーマーのアドバイスと最強CPU戦」
「……チーム戦で、1人に完敗か」
試合が終わった後、エンガは観客席の一角で1人座り込んでいた。
拳を握りしめ、悔しさを噛み締める。
ブレイズやカイ、ミラも同じだった。
どれだけ連携を磨いても、ゼクスには通用しなかった。
彼はすべての戦術を見抜き、最小限の動きで完封したのだ。
「……あんなの、どうやって勝てばいいんだよ」
エンガがため息をついたとき、目の前に影が落ちた。
「……悔しいか?」
声の主は──ゼクスだった。
「そりゃ、悔しいに決まってんだろ」
エンガが顔を上げると、ゼクスは静かに腕を組みながら言った。
「お前らは悪くなかった。チームとしての完成度は高い。だが、"個"としてはまだ甘い」
「個として?」
「お前たちはチーム戦だからこそ動ける。しかし、俺は"個"の力を極限まで磨き、"チームを上回る個"になった。それが、勝敗を分けた」
エンガは息をのむ。
「お前に足りないのは、"個としての戦闘力"だ。お前自身が強くなれば、チームの連携もさらに上のレベルに行く」
ゼクスはそう言い残し、去ろうとする。
「……どうすれば、強くなれる?」
エンガが立ち上がり、問いかける。
ゼクスはふっと笑った。
「なら、ジムに行け」
「ジム……?」
ゼクスはVR格闘ゲームにおける最強の訓練場について語った。
『バーチャル・ファイターズ・ジム(VFG)』
そこには、ゲーム内最高難度のCPUが設置されており、
勝てば"格闘AIがプレイヤーの戦闘データを学習し、さらに強くなる"という仕様になっている。
「VFGの最強CPUは、"オメガ"と呼ばれるAIだ。プレイヤーのデータを蓄積し、"人間を超える戦闘センス"を持つ。あれを倒せるようになれば、少しは俺に近づけるだろう」
ゼクスの言葉に、夏炉の拳が震えた。
(強くなる……! もっと、もっと上へ……!)
「わかった、行くぜ……VFGに!!!」
──こうして、エンガは新たな戦いへと挑むことになる。
次なる相手は、"人類最強のAI"。
"最強CPU・オメガ"との戦いが、今始まる──!




