第9話「チーム大会開幕──第一試合、決着!」
──「ついに開幕!!“チームグラディエーションカップ”!!」
実況の声が響き渡ると同時に、観客席の熱狂が闘技場全体を揺らすように包み込む。
4人1組のチームバトル、この大会のルールは明快──敵チームを全滅させるか、制限時間終了時に多くのメンバーを残していた側の勝利。
ただしその内容は、常に命の取り合いに限りなく近い熱量を求められる、まさに“本物”の戦場だった。
「第1試合──“チーム・ブレイカーズ” vs “チーム・ヴォルカノ”!!」
コールされた瞬間、炎のような歓声が上がる。
夏炉が率いる“チーム・ブレイカーズ”の初戦の相手は、爆炎魔法を主軸とする遠距離特化型チーム、“チーム・ヴォルカノ”。
その実力は決して侮れず、今大会でもダークホースと噂されるほどの火力集団だった。
「つまり、近づく前に燃やされるってわけか……」
控えめな苦笑を浮かべながら呟いたのは、パワー担当・ブレイズ。
だが、夏炉はまるでその言葉に乗るように、不敵に笑って拳を握り直す。
「だったら──燃やされる前に叩き潰すだけだ」
──「試合開始!!」
合図とともに、空気が焼けるような熱気が走る。
ヴォルカノの魔法使いたちは迷いなく詠唱を完了させ、十数発の火球を一斉に放った。
「燃え尽きろォ!!」
──ゴォォォォッ!!
爆炎の弾が乱れ飛び、まるで空間そのものが溶けるかのような猛威が襲う。
だがその一瞬後、彼らの視界から夏炉の姿が消えた。
「……っ!? どこだ!?」
「ブースト・エンゲージ」
高速で魔力が発動し、夏炉は燃え盛る弾幕の中をすり抜け、超加速で敵の懐へと飛び込んでいた。
彼の気配に気づいた敵の一人が反応するよりも早く、拳が振り抜かれる。
「終わりだ」
──ドガァァァァン!!
一撃。ただそれだけで、敵の一人が地に伏した。しかし夏路もまた、高威力技の反動で動けなくなっていた。
「チッ……! なら、こっちだ!!」
そして残った三人が同時に杖を構え、詠唱を放つ──が、その瞬間、背後で別の魔法が完成する。
「バインド・フィールド!」
ミラの詠唱が完成し、足元に広がった魔法陣が三人を束縛するように拘束する。
身動きの取れなくなった敵に、夏炉は叫んだ。
「ブレイズ、カイ、頼む!!」
「おう!!」
「了解!」
ブレイズの大剣が一閃し、敵の前衛が吹き飛ぶ。
そしてカイの短剣が、瞬時に敵の詠唱を断ち切るように間合いを詰める。
連携は完璧だった。
──そして、決着。
「勝者──チーム・ブレイカーズ!!!!」
大歓声がスタジアムを揺らし、第一試合は圧倒的な勝利で幕を閉じる。
夏炉は肩で息をしながら、ロビーへと戻ったその裏で
「……次の相手は──」
一瞬、接辞の凍るような視線を浴びた。
「なるほど。面白くなってきたな」
第一試合は終わった。
だが本当の試練はここから始まる。
──そして、夏炉たちは次なる強敵との激突へと歩を進めていく。




