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銀翼の冒険者がゆくVRMMO冒険譚~ときどき(彼女が)配信中~  作者: あきさけ
第七章 【シナリオ】は続くよ完結まで
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93.第2回鉱山攻略 その2

 さて、文房具トリオと再びパーティを組み、地下十二階までやってきたのだが……本当に静かだな。

 モンスターに全然エンカウントしないぞ。


「事前に人をやってモンスター湧きの仕掛けを止めてありますからね。モンスターはほとんどわきませんよ」


 不思議そうに思っていると、ガオンがそう説明してくれる。

 本当に至れり尽くせりだな。


「そういうもの?」


「ええ、そういうものです」


 戦闘系クランやパーティは俺たちを含めて6パーティ。

 進行順序などもあるが、戦闘力の低い文房具トリオを引き連れている俺たちの役目は、隊列中央に万が一モンスターが出現したときの対処役だ。

 それも、よっぽどのことがない限り出現しないそうなので注意は払っているが、気は楽なものだが。


「それよりも十三階にたどり着いたあとは、本当によろしくお願いいたします。あそこは本当に僕たちの手に負えませんので」


「そんなに厄介なの?」


「単体レベルでは厳しくないのですが、常に群れで襲いかかってきますからね。笛吹き妖精に見つかれば、複数の群れから同時に襲われることもありますし」


「うっわ、ぞっとしない。それで、人数を集めての人海戦術に切り替えたんだ?」


「ええ、さすがのあなた方も、遠近織り交ぜるモンスター大群相手では分が悪いと思いまして」


「分が悪いなんてものじゃないわね」


「ならよかった。ともかく、無理だと思ったら一度引き返してください。モンスターの周回ルートはだいたい一定ですので」


「おーっけー。フィートたちも構わないよね?」


「俺はサイの考えに従うよ。戦力的に、サイ任せな部分が大きいから」


「儂らもじゃ。頼りにしているぞ、サイの嬢ちゃん」


「任された!」


 十三階での注意点を説明されながら、俺たちは目的地までたどり着いた。

 十三階につくやいなや、ガオンたちは行動を開始して簡易的な活動ベースを構築してしまう。

 本当にこう言った作業は手慣れているよな。


「皆さん、この階層を攻略するための仮拠点を作成いたしました。有限ではありますが回復アイテムの補充ができますので、ご活用ください!」


 その声に沸き立つ冒険者たち。

 回復薬の支給がある、ということはそれだけ高難易度な場所なんですがね。

 このダンジョンの難易度について悶々と考えていたら、女性冒険者に声をかけられる。

 

「このダンジョンは始めてかい?」


「いえ、前にも来たことがあります。が、そのときは十三階を確認したらすぐに引き上げました」


「へぇ、そりゃなんでまた?」


「十二階のモンスターハウストラップを強引に突破した直後というのもありますが、周囲の環境ががらりと変わったのでうかつに進むべきじゃないと判断しまして」


「それで正解だろうね。私も何回か十三階に挑ませてもらっているが、いまだにクリアできていないからさ」


 そこまできついか……。

 上層はかなり楽なダンジョンだと聞いているけど、このあたりから本気で殺しに来ているな。


「ガオンから注意は受けていると思うけど、笛吹き妖精は見かけたら最優先で倒しなよ。あいつらを野放しにしていると、永遠にモンスターと戦う羽目になるからね」


「わかりました。ご忠告ありがとうございます」


「こっちとしても、そろそろ次のフロアが気になるところだからね。早いところクリアパーティが現れてほしいのさ」


「はは……なるほど」


「そういうわけだから、頑張っておくれよ。じゃあね」


 女性冒険者と別れたあとは、今日の在庫を確認だ。

 各種回復ポーションに、毒を与えるポイズンポーションと麻痺させるパラライズポーションも持ってきてある。

 果たして、どう転ぶのか……。


「あ、フィートいた! そろそろ私たちも出発するよ!」


「了解、俺たちの向かう方向は?」


「このベースキャンプから北北西の方角だって。皆準備できてるし、フィートはどう?」


「おれも準備できてるぞ。ただし、ベースキャンプを出たあとは慎重に進むようにな」


「まあまあ、最初は普通に突っ切ってみようよ。それじゃしゅっぱーつ!」


 アイツ、笛吹き妖精がいることをわかっているのかね?

 わかっていてあの態度なら、大物だと思うけど……そんなところで大物にならないでほしいな。

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作者の代表作です。お時間があればどうぞ。
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