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銀翼の冒険者がゆくVRMMO冒険譚~ときどき(彼女が)配信中~  作者: あきさけ
第七章 【シナリオ】は続くよ完結まで
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82.みすふぃのポーション開発

 さて、丸々一週間時間が空いてしまった訳だが……その間何もしないというのも暇である。

 それで、サイに相談してみたら……。


「みすふぃの様子でも見に行く?」


 と言われたのでオババのところを訪ねることに。

 お土産に精霊の森産の薬草を持って。


「あら、フィートさん、サイさん。ようこそ」

「どうも。オババはいますか?」

「ええ。新しい弟子ができたことではしゃいでますよ?」

「それならよかった」

「どうも馬が合うみたいでふたりでいろいろと研究しているみたいです」

「……フィート、様子見に行った方がいいんじゃない?」

「だな」

「奥の調合室にいると思いますのでどうぞ」


 さて、勝手知ったるオババの家を歩き、調合室へ入った訳だが……。

 オババとみすふぃはふたりでなにかを作っていた。


「オババさん、もう少しこの薬草の分量を多めにするといい感じになりそうですよ?」

「そうじゃの。では、増えた分はこちらの薬液を削るとするか」

「うわぁ、いい感じにできそうです!」

「そうじゃの。これが上手くいけば新しいポーション4つめが完成じゃ!」


 4つめ?

 そんなにたくさんのポーションを開発していたのか、あのふたり。


「む、フィートにサイか。よく来たの」

「ハロー、オババ。何を作っているの?」

「今日は複合毒に対する治療薬を作っているんです」

「そういうわけじゃ。1本で複数の毒を消し去れる優れものじゃぞ?」


 ふむ、それってそんなにすごいことなのかな?


「おお、それはすごい!」

「ですよね、ですよね! いままでそんなポーションできたことがないんですよ!」

「儂も作った事はなかったからのう。オジジならそちらの研究も進めていたかも知れぬが……儂は実用性一本できたからのう」

「でもそれはそれですごいことですよ!」


 どうやらすごいことらしいな。

 そもそも、毒が複数種類あること自体、俺は知らないんだが。


「それで、これまでに完成したポーションってどんな種類があるんだ?」

「あ、それはですね。まずダブルリジェネポーションです。リジェネとメディテの両方の効果が一本で得られます」

「あ、それ便利かも。分けて飲むとポーション毒の蓄積値が気になってたのよね」

「ですよねー。で、このポーションならリジェネポーションの1.3倍程度の蓄積値で両方の効果を発揮できます!」

「それは俺でもすごいことがわかるな。で、他には?」

「はい! ええと、次は即効性リジェネポーションです。即効性メディテポーションもできているので、これはセットで一種類ですね」

「うん? どういう効果なの?」

「リジェネポーションもメディテポーションも飲んでからじわじわ回復するじゃないですか。まあ、それがいいところでもあるんですが。このポーションは飲んだとき一気に最初回復して、そのあとじわじわ回復していくんです!」

「つまり、普通のポーションとリジェネポーションを合わせた感じ?」

「そうなりますね。これも結構作るのに苦労したんですよ?」

「でしょうね。さっき、複合毒の治療薬で4つめって言ってたけど、もう1つはどんなの?」

「最後は毒消しポーションです! 毒消しとポーションを組み合わせたものですね」

「使い道は限定的だけど、あると便利そう!」

「ですよね、ですよね! ここだと、いろいろな薬草が揃っているから実験がはかどるんですよ!!」


 ……みすふぃをオババに弟子入りさせたのって間違いじゃないかな?

 大丈夫なのか、これ。


「みすふぃ、ギルドの方には顔を出しているのか?」

「あ、そこは平気です。ガオンさんから許可をもらって研究していますから」

「……ならいいんだが」


 ガオンも押し切られたんだろうな。

 みすふぃじゃないとできないこともないのかも知れないし、ここで新しいポーションを研究させていた方が得だと判断したのかな?


「で、それってもう販売しているの?」

「あー……それなんですがね。売れないんですよ、これ」

「うん? どういう意味だ?」

「ええとですね。このゲームってプレイヤーが集めたアイテムが一定以上含まれていないと、トレード不可になるんですよ。で、当然……」

「儂のところにある薬草で作っておるからの。どうにもならんと言うことじゃ」

「……なるほどね」

「はい、どうにもなりません」


 効果はすごいんだろうが販売不可なのか……。

 それもオババのところにある薬草を使わないといけない、ってみすふぃが暗に認めているってことはプレイヤーでは未発見の薬草を多数使っているんだろうな。


「そうだ! フィートさん、サイさん! レシピを教えますから、今日はここで私が開発したポーションを作りましょ!」

「作りましょって……私、初級よ?」

「レシピ難易度は低いんですよ! ……薬草が見つからないだけで」

「そんなに珍しい薬草じゃないんじゃが。薬草園が機能していないのが問題かの」

「うーん、やっぱり薬草園をなんとかしないとですか」


 薬草園クエストか……。

 俺たちが手伝えばクリアできるだろうが、そこまで手を貸すのは何か違う気がするんだよな。


「ま、やることもないし、そんなに難しいレシピじゃないんなら、今日はここでポーション作りといきましょうか」

「サイが構わないならそれでいいけど。オババもそれでいいのか?」

「お主たちも弟子じゃからの。気にせんでいいわ」

「じゃあ、遠慮なく。みすふぃ、レシピを教えて!」

「はい! ええとですね……」


 そのあと、みすふぃからポーションの作り方を教わったのだが……ちっとも簡単じゃなかった。

 1パーセント単位で分量計算されたレシピが簡単という、みすふぃの感覚がちょっと信じられないなぁ……。

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