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銀翼の冒険者がゆくVRMMO冒険譚~ときどき(彼女が)配信中~  作者: あきさけ
第七章 【シナリオ】は続くよ完結まで
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75.再びの生産職連合協同組合

「うーん、どう見ても忙しそうよね……」

「そうだな。こんな中、入っていっていいのか気が引けるが……」


 いったん、晩ご飯休憩を挟んで夜時間のログイン。

 生産職連合協同組合のホームに来たのだが……。

 あれは調合組かな? 全力で生産に当たってる。

 どうしたものかと出入り口付近で固まっていると、ギルドメンバーに声をかけられた。


「あれ、お客さんですか? どういったご用件でしょう?」

「あーっと、この場合、誰を訪ねればいいんだ? みすふぃ? ガオン?」

「とりあえずガオンでしょうね。みすふぃよりはいろいろな素材に詳しいみたいだし」

「ガオンさんに用事ですか。失礼ですが、お名前を伺っても?」

「ああ、俺はフィートだ」

「私はサイね」

「フィートさんにサイさん! 失礼しました! すぐにガオンを引っ張ってでも連れてきます!」


 俺たちの名前を聞くなり、態度を改めたメンバーはすぐさま建物内へと駆け込んでいった。

 そして数分と待たずにガオンがやってくることとなる。


「……ひょっとして、なにかの作業を邪魔したか?」

「いえいえ。ギルド内部のミーティング中でしたのでお構いなく。僕としても抜け出すいいきっかけになりました」


 いい笑顔で黒いことを言うガオン。

 まあ、主題はそこじゃないしいいか。


「それにしてもおふたりがまたここを訪ねてくるなんて……なにかありましたか?」

「なにかないときちゃダメ?」

「いえいえ、そんなことはありませんよ。ただ、プレイスタイルとは違うんじゃないかなと。特にサイさんとは」

「あー、確かに。サイのプレイスタイルだと、腰を据えて生産なんてやってられないな」

「でしょう。それなのにうちに用事があるということは……なにかご依頼でしょうか?」


 依頼、依頼か……。

 確かに、依頼っちゃ依頼なんだけど。


「ガオン、いまから言うアイテムに心当たりはあるか?」


 俺は銀鉱石を含め各紋章に必要となるアイテムを読み上げていった。

 アイテム名を聞き終わったガオンだが、少し考えるそぶりをしたあと、「少しお待ちを」と言い残しギルドの奥へと走り去っていく。

 そして、戻ってきた彼の手にはひとつのアイテムが握りしめられていた。


「こちらがご所望のアイテムのひとつ、『剣岩の欠片』です。ちなみに、これは『剣樹の岩場』で採掘出来るアイテムですね」

「サイ、『剣樹の岩場』って?」

「適正レベル130って言われているフィールドよ。私はともかく、フィートじゃきついわね」

「そうか? 武器と防具は強いと思うんだが」

「攻撃スキルが足りないのよ。フィートって生産スキルにもかなり割り振っちゃったから、その分適正レベルに上乗せしなくちゃだし」

「……ああ、適正レベルって純戦闘ビルドだった場合の適正か」

「そういうことよ」


 そりゃ、俺には無理だろうなぁ。

 いや、属性攻撃が効けばワンチャン……。


「お話を続けてよろしいでしょうか?」

「ああ、済まない、続けてくれ」

「残りのアイテムのうち、空気の鼓動と大樹の結晶は入手場所がわかっているアイテムですが……フィートさんにはお勧めできませんね」

「やっぱりレベル不足か?」

「はい。どちらも適正レベル140以上の狩り場です」


 あー、ここで手詰まりか。

 参ったなぁ。


「さて、そこで提案なのですが、空気の鼓動と大樹の結晶はこちらで入手いたしましょう」

「あら、お願いできるの?」

「ええ、相応のお金はいただきますが」


 さすが、金銭は必要だよな。


「その代わり、銀鉱石の採掘にご協力を願いたいのがひとつ」

「そう言うってことは銀鉱石が出る場所は知ってるってことね」

「ええ。隠すつもりはないのでお教えしますが、鉱山内部地下五階以下のフロアにて低確率で入手できます」

「へぇ。でも、それならもっと噂になっててもいいのでは?」

「モンスターが強いのですよ。ストーンドールを初めとした無機物系モンスターがわんさかいます。有効装備は打撃系武器と属性攻撃、とりわけ氷属性か水属性なのですが……」

「オーケーオーケー。どっちも用意できてるわ」

「なら、話は早いですね。うちから採掘部隊を三人同行させます。おふたりにはその援護をお願いします」

「わかったわ。採掘部隊って戦えるの?」

「それなり以上には。基本的にお願いしたいのは、採掘中の警戒ですね」

「了解。それじゃあ、それは任せてもらおうかな」

「はい。……ああ、鉱山への入坑許可証は僕たちが持っていますのでそれを使います。あと、報酬の取り分ですが、銀鉱石三つをフィートさんたちにお渡しします。それ以外の鉱石はこちらでもらってしまってかまわないですか?」

「うーん、サイ、どう思う?」

「そうねぇ……坑道五階なんてフロアになにがでるかの情報を私たちは持たないわけだし、とりあえずそれでいいんじゃない? ただし、私たちも採掘させてもらってそっちで出たものはこちらの取り分とすること。それから、出た鉱石で私たちが買いたいものがあったら、できる限り優先的に売ってくれること。これでどうよ?」

「……サイさんにはかないませんね。それでかまいませんよ。ただ、うちも受注している装備品で使う分は確保したいので、何もかもとは言えませんが」


 それはそうだろうな。

 それには、俺とサイ、ふたり揃って頷く


「では採掘に行く時間ですね。採掘は明日の夜を予定しています。……何分、社会人プレイヤーも混じっていますからね。この時期暇な大学生ばかりではないんですよ」

「あはは……」


 確かに、暇な学生です。


「さて、それからもうひとつ、お願いしたいことがあるのですが……」

「なんだ? 俺たちでできることなら可能な範囲で聞くけど」

「みすふぃなんですがね。オババさんに弟子入りしたいそうなんですよ。仲介、お願いできますか?」

次週の更新は休載とさせていただきます。

ちょっと本気でスランプ気味なのと新しい依頼が入ってきたのとでスケジュール調整が必要となりました。


もう一話はかけていますので再来週の更新分は問題ありません。

読者様には申し訳ありませんがよろしくお願いします。

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作者の代表作です。お時間があればどうぞ。
Unlimited World ~生産職の戦いは9割が準備です~
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[一言] 分かりました。ゆっくりとはいかないでしょうがゆっくりしてください。
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