表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/101

2.キャラクタークリエイト

初日は5話投稿予定。

これは2話目です。

できれば1話目よりどうぞ。


次回更新は12時頃になります。

「《Rainbow Commandment》ってあれか、今話題になっているVRゲーム」

「そうそのVRゲームなのですよ。楓生と一緒に遊ぶために仕入れておいた私に感謝するといい」


 なんとなく恩着せがましい言い方だが、訳すと『一緒に遊びたいから買っておいたの。一緒に遊ぼう?』となる。


「俺も興味はあったからプレイするのはいいんだ。でも、このソフトってかなり入手困難って聞いているけど」

「そこはほら、私の人脈?」

「お前に人脈と呼べるようなゲーム関係者のつながりなんてあったか?」

「細かいことは気にしないの! 現実問題、ソフトはこうして存在してるんだから!」


 確かにソフトがあるんだから、細かいことを気にしても仕方がない気はする。

 ただ、なぁ。


「このソフト、初回ロットってなってるが?」

「うん、初回ロットを押さえておいたからね」

「このソフトの発売日っていつだっけ?」

「今年の一月かな」

「……いままで黙ってたのかよ」

「だって受験の邪魔をしたら悪いじゃない」


 確かに、受験中にこんなゲームがあったら目移りしてしまうかも。

 VRゲームはほとんどやらない俺でさえ、作り込みの素晴らしさを聞いてるほどなんだし。


「そういうわけで、一緒にやろう? できれば明日から」

「早いな、おい。……俺の家にあるVRギアでできるかな?」

「それも大丈夫! ちょっと待っててね」


 俺の部屋を一度出て行った彩花は、少しして一抱えもある箱をもって帰ってきた。

 この箱は……。


「じゃーん。最新式……とは言えないけど、そこそこ高性能なVRギアです! これなら問題なく《Rainbow Commandment》もできるよ」

「いや、じゃーんって。最新式じゃないとはいえ、安い買い物じゃないだろ?」

「そこはほら、楓生の進学祝いってことでおじさんやおばさんたちからお金をもらったからね。あ、余った分のお金はちゃんと返したよ」


 そこは心配していない。

 というか、これが進学祝いか。

 うちの親もよくわかっている。


「それじゃあ、明日のお昼過ぎくらいまでにはキャラクタークリエイトを終わらせておいてね。主に名前と種族、外見の設定くらいだから」

「それって結構悩むんじゃないか?」

「うーん、楓生なら直感任せで大丈夫だよ、きっと。あ、あと、私ゲーム内で配信もしてるからそれに映っても問題ないよね?」

「問題ないが……ゲーム配信なんてやってたのか?」

「ベータテストの頃の名残だね。あの頃は攻略配信と銘打って配信しまくってたからなぁ」


 ……どんな配信をしていたのか聞くのが恐いな。

 ともかく、配信に映るのはオーケーをしておいて、明日の昼過ぎに合流となった。

 MMORPGはほとんどやった経験がないけど、わずかなプレイ経験で言うとキャラクタークリエイトが時間かかった気がするんだよな。

 そこを半日で終わらせるのって結構大変のような、適当にやればすぐ終わるような。


 ……まあ、いいや。

 今晩は、新しくなったギアのセットアップだけ済ませて終わりにしよう。

 このセットアップ作業だって二時間くらいはかかるし。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 翌朝、《Rainbow Commandment》を事前にインストールしてから朝食をとる。

 のんびり食べ終わった頃、インストール完了を知らせるメッセージが携帯端末に表示されたので自分の部屋に戻った。

 さて、ここからはVR空間にもぐっての作業となる。

 準備は完璧なので、早速VRギアを装着してベッドに横になる。

 VRギアの機能でフルダイブが開始すると意識がふわりと浮かび上がる感覚があり、VR空間へと旅立つのだった。

 なお、この感覚はいまだに慣れないんだよね……。


 VR空間に到着するとまず『待合室』と呼ばれるスペースに到着する。

 ここでは各種チャットやインストールしたゲームや映画、音楽の管理、メールの送受信などができる。

 俺は『待合室』と呼んでいるが、正式名称はサンシャインなんちゃらだったはず。

 詳しいことは知らないけれど。


 さて、いまは『待合室』でのんびりしている場合ではない。

 早く《Rainbow Commandment》にログインしてキャラクタークリエイトをしなくては。


「えーと……あった。《Rainbow Commandment》起動」


 ライブラリに登録されているいくつかのゲームの中から《Rainbow Commandment》を選んで開始する。

 すると、『待合室』が消え去り別の空間へと切り替わる。

 無事に《Rainbow Commandment》が起動できたようだ。


『ようこそ《Rainbow Commandment》の世界へ』

「こういうところはどのゲームでも一緒だよな」


 始まりはようこそから。

 オヤクソクすぎていっそ可笑しくなる。


『新規ユーザーIDを確認。これよりキャラクタークリエイトを行います』

「ああ、手早く頼むよ」

『まずはプレイヤーネームを決定してください。すでに使われている名前は使用できません』


 プレイヤーネームか。

 これはいつも使っている名前が使えるか試してみよう。


『プレイヤーネーム【フィート】は使用可能です。決定しますか?』

「ああ、頼む」


 一発で通ってよかった。

 名前で悩むことになったら大変だからな。


『次に種族を選択してください。詳細は種族項目を選択することで表示されます』


 次は種族か……って、種族が多いな。

 ヒューマンは多分普通の人間だろう。

 それ以外に、ワービースト、エルフ、ドワーフ、竜人、オーガ、妖狐、ピクシーなどなど。

 さまざまな種族が表示されている。

 さっきの説明どおり、詳細を確認することも可能で種族の特徴や種族特性なるものの説明が書かれていた。


 さて、悩んでいても仕方がないので種族をさっさと決めなければならない。

 リザードマンとかメリットとデメリットがはっきりしている種族もあれば、自動人形(オートマトン)などというものまである。

 そんな中、俺が選んだのは……。


「うん、やっぱりこれだろ」


 数ある種族の中からある種族を選択、種族選択は終了した。

 そのあとにあった容姿設定もつつがなく終了して、あとはスキルなり職業なりを選ぶのかと思ったのだが……。


『以上でキャラクタークリエイトを終了します。スキルの取得はゲーム内で行ってください。一度ゲームを終了します。本日はキャラクタークリエイトありがとうございました』


 機械音声に導かれるまま周囲の景色が移り変わり、再び『待合室』に戻ってきた。

 いくらなんでも不親切すぎやしないだろうか?


 ……ともかく、キャラクリエイトは終わったんだし、午後のログインで彩花と合流するとしよう。

 そうと決まれば現実世界に戻って昼食を作らないとな。

お読みいただきありがとうございます。

毎回の誤字報告本当に助かっております。


面白い、続きが気になる等思っていただけましたら、ブックマークや下の☆マークをポチポチして★にして応援してもらえると嬉しいです。


感想などもお待ちしております。

「面白かった!」のひとことだけで十分励みになります。

なお作者は超豆腐メンタルですので感想はお手柔らかにお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓小説家になろう勝手にランキング参加中↓
小説家になろう 勝手にランキング


作者の代表作です。お時間があればどうぞ。
Unlimited World ~生産職の戦いは9割が準備です~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ