コミュ障な二人
麻樹のコミュ障炸裂www
dsに気を遣い遣われながら何とか会話を繋ぐ麻樹。
Dsは大分麻樹にも慣れ色々な話をしはじめた。
しかし何やら事情が有り気なdsで対処に困る。
暫くの沈黙が続き、勉は興味を失った様にまた車窓へと視線を移した。
それに合わせて麻樹も外に目をやった。
(こんな時お母さんだったらひっきりなしにに話すんだろうなぁ……)
「あ………」と思い実家におおよその到着時刻を知らすメールを打った。
(うん、メールは普通に送れるのね。)
バッグにスマホを仕舞う瞬間、先程買ったジュースが目に留まり勉にそれを差し出した。
「ちょっと温くなってるかもだけど、ジュース飲む?」
(うわ〜……これ完全に大阪のオバチャンじゃん!)
「ありがとう!麻樹さん!」
と笑顔で受け取った。
(ちょっろぉ~!ニヤリ。けど……しっかりしてるのかなんと言うか、田舎特有の馴れ馴れしさ?がこの子には無いのね?)
かなり歳下の少年に自分の名前をさん付けで呼ばれて少々気恥しさを感じながら勉に聞いてみる。
「つとむ君は幾つなのかな?」
(ぶはっ!私何聞いてんだ?これじゃぁナンパじゃん!いやいやショタ属性は無い筈だけど……取り敢えず数時間このままなのは辛いから会話を繋がないと……)
「十歳です……」
「ふ〜ん……じゃあ三年生なのかな?」
かなり当てずっぽうで言ってみた。
「小五です」
(全然ちがったぁ~……)
「麻樹さんは大人だから!」
かぁーっ……と頬が熱くなるのを感じながら平常のトーンを保ちつつ会話を続けた。
「ご、五年生なんだね!」
(お、大人って……確かに二十年近く前の事だから……オバチャンよりはマシかぁ〜……平常心……平常心……)
「はい!」
「が、学校とかは?今日は平日だから学校あったんじゃないの?」
多少、声が上擦りながらも麻樹は聞いてみた。
(私は……お、大人なんだから……てか大人だろうが子供だろうが話すのは苦手なんだよ…)
すると勉は目を伏せて
「転校するから……もう……」
「あ……!そ、そうだったなのね……(震え声)」
(じ、地雷だった……gkbr)
焦って、最早日本語では無くなっていた。
取り繕うのにどうしようと言葉に詰まりアタフタしている麻樹を見て勉は
「大丈夫です!新しい学校に行って色んな人と会うのは楽しいですから!」
(かはっ!小学生に気を遣われたぁ〜……)
ハッキリした口調で言った勉だったが、何処かそれは寂しそうな……乾いた笑顔であった。
それから二人は他愛の無い会話を続けた。
勉は学校の話、友達の話、遊びのローカルルール等々……
相槌を打ちながら麻樹は自分の小学生時代を思いだしていた。
(大分前の事だなぁ……二十年近くかぁ…………)
う~ん?と記憶を辿ってみるが余り思い出せない。
あれ?なんでだろ?
でも高鬼とかゴム縄跳びとかやってたよなぁ……なんで思い出せないんだろ?
あ〜リリアンとか流行ってたな……
でも誰とやってたっけ?
勉が話している遊びや学校の事とか懐かしく感じたたんだけど……
何か霞掛かった感覚。
「麻樹さん!」
不意に意識を手繰り寄せられ
ハッとして麻樹は顔を上げる。
自分の意識に入ってしまったようだ。
「ああ、ごめんごめん!勉君の話聞いてたら、ちょっと私の小学生の頃思い出そうとして……」
誤魔化しても仕方ないのでモヤモヤした感情を抱きながらそのまま伝えた。
「もう!麻樹さん……ちゃんと聞いとる?大輔って言う奴おっていつも嫌がらせして来てめんどくさいんよ!」
(え?え?だいすけ?誰それ?話聞いてなかったァ~流れ全くわかんないよ〜……てか、かなり慣れたなぁ……)
「他の奴と話とっても直ぐちょっかい出して来たり嫌な事言われたり……ほんまはぎぃわ!(怒)」
(ま、やれやれだぜ……とはならないよね~その歳ならさ)
「こっちからは何もしとらんのんのに訳八幡さんじゃわ」
(お、おお……御立腹の様子だ……てか八幡さんてwww)
何か違和感を感じつつも笑顔を固定して
そんな事を麻樹は思っていた。
「もう会わんけぇええんじゃけど、ほんま腹立つわ…………………………どこ行ってもこんなじゃから…………」
「え?」
最後の方は、独り言を呟くみたいに小さな声だった。
麻樹の一人ツッコミはギャグじゃないですwww