オハナシ
連休なんで、出来るだけ一気に公開しようかと
ガラッ!と教室のドアが急に開けられ、俺達に向かって一直線に何かが飛んでくる。
「副ちょ~~!!行かないんですかにゃ?生徒会室?」
狙いすましたかのように深山さんの机の前に着地。
飛んできたのは人、背の小さな女の子って位しか判断が付かないが、纏ってる空気が面倒臭い
初対面では疲れそうな人種だというのはヒシヒシと伝わってくる、
深山さんは飛んでくる位置がわかっているかのように数歩下がった位置に動いていた
「教室の中で飛び込まないでって言ってるよね」
「ご、ごごごごゴメンにゃさい副ちょう!」
深山さんの笑顔がちょっと怖いのは気のせいだろう、そしてこの子は?頭に耳が
あるので獣人なことは間違いないんだろうが種族が判らない、
「深山さん、この子は?」
「ん、あっ!ごめんねいきなりこんな状況で。ユラ、自己紹介して」
「ユラは続木由良にゃ、虎さんだにゃ!ユラって呼ぶといいにゃ」
どうやらこの元気っ子は由良という人虎種だそうだ。しかし語尾に『にゃ』とか
なんて安直なとツッコムところだが、そもそも虎は猫科であっても猫じゃねぇ、全ての獣人LOVE
な皆さんに謝るべきだ
これは個性で切ってしまって良いのだろうか?そんなわけはない
しかし、なんだかさっきから深山から伝わる空気がとても痛い。
「ユラは先に行ってて、久々利先生から残っていてと言われてるから」
「えぇ~、瑞樹ちゃんならどうせ、生徒会室に来るんにゃから行こうにゃ~副ちょ~」
「ユラ、少し《オハナシ》が必要かしら?」
物凄くいい笑顔な筈なのに《オハナシ》?『オシオキ』にしか聞こえないんだが、、、、
この人は怒らせちゃ駄目なタイプな人なんだと俺は確信した。
そう普段は優しいが、怒ると鬼神に変わる、いやドラゴニュートだから龍神か、
ってどうでも良いことを考えるのは止めよう
自己紹介はしてくれたが、俺名乗りも出来ずに空気かよ
「すいませんでしたにゃ!ユラは先に行きますニャ」
あぁ怯えてる、あの子きっと《オハナシ》された事があるんだろう、どんな事をされたかは
判らないがきっとトラウマなんだろうな。絶対しようかと言われないようにしよう
不定期更新、誤字脱字ご容赦下さい