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辞令来ました

職員室ではなく生徒指導室に向かい扉の前で教員の来るのを待った。

そして数分後、部屋の中には教頭と俺だけ


「伊万里、今回の件はお互いに問題があったと先生は思う。でだ、お前どうしたい」

「卒業できれば」


正直な話、すでに公僕として社会人のポジションは持っているので、今更卒業も何も

無いのだが、世間体というかなんというか気にしておくに越したことはないという

状況だった。

というわけで進路に関しては何一つ問題は生じないので多少問題を起こしても内申なんて

関係ない、しかし退学はさけてたいので先ほどのようなどうでもいい相手は軽くあしらって

終わりにしている。

何よりも退学なんて頑張ってくれた家庭教師の先生殿に申し訳ない。


「いや、まぁお前の進路はもう確約されてるから良いんだろうがな」

「始末書を書く枚数が増えるくらいですから、気にしませんよ」


その受け答えにどうして良いか判らず、頭を抱える教頭が可哀想に思えてきた、

やっておいて今更なんだが・・・・。


「で、小暮はどうしたんですか」

「あぁあいつは職員室で他の先生が説教中だ、ついでに持ち込み禁止の紙に巻いた

葉っぱがポケットから出てきたもんでな、あいつは停学確定だ」

「で俺には何か処分出るんですか」

「それなんだがな・・・・」


教頭は急に焦るように視線を泳がせて言淀む、なんとなく想像できてしまった。


「とりあえず、俺がこの学校にいるのは色々重宝するから、簡単に処分が出せないと」

「・・・・そんなところだ」


そう、学生身分で公僕なんてやっているにはそれなりに理由がある。もちろんそれを

承知で入学させたこの学校にも旨味はあるというわけで、俺を処分したりとなると

当然俺もだが、目の前の教頭も校長以下関わった教員全員が始末書を提出と

いう不幸の連鎖が起きる。


コンコン


ドアがノックされ、小窓に人影見える。指導室と名の付く部屋全ての窓は曇りガラス

ということもあり、誰が立っているかは全く見えない。


「失礼しますよ」

「おっさん!!」


目の前に現れた叔父、加賀見 鏡はダークグレーのスーツに身を包み余裕たっぷりな

動きで入室してくる。

部署は違うが俺の所属先に無関係ではない人間の登場に嫌な予感しかしない。


「あぁ、伊万里。この方は」

「えっ、あぁ俺の叔父です。特区の学校で学長をしてます。」


加賀見は教員に目もくれず一通の封筒を寄こしてくる。


「九朗、辞令が出たんで持ってきたんだが、こんなとこに居るって何をやらかしたんだ

馬鹿もんが。」


そんなことはどうでもいい、辞令が出たということはこの学校から出て行かなきゃ

いかんのか・・・。叔父はなにやら名刺を取り出しスルーしていた教員と話し始めている


「おっと、失礼。私は加賀見と申します・・・・・・・・・・・・。」

辞令を確認する・・・・・。どデカい監獄への招待状が来てしまった。混雑種に用意された

人工島、国内に3つあるうちの一つ衛浜への異動。

加賀見が再三を引き抜きに掛かっていたが実現せずにいたのに、目の前には実にあっさりした

文章で書かれた、紙が一枚。


「転校手続きは完了している、明日朝迎えを出す。仕度しておけよ」


そういうとさっさと帰っていった。


「馬鹿な」


辞令

伊万里九朗、○月○日をもって混雑種特別保護地区衛浜市、


対混雑種特殊治安部部長兼第一機動隊隊長に任ずる。


「俺がスイーパーだと」


人間・ハイブリッド・キャリアの生活を守るのが伊万里九朗の仕事、それは理解

しているが、この仕事は色々やりきれないことが多い。

こんなわけで、問題事の最前線へ送られる事になった。

不定期更新、誤字脱字ご容赦下さい

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