糾弾
渚が準備室へ入り副班長の橋本の横に向かって行く、定位置があるのだろう
「遅れてすまなかったな。委員会内部での配置換えも必要になったのでそちらを優先させてもらった
ここからは俺が仕切ろう」
「んじゃ、まーいちゃん後よろしく、生徒会の案件の方にいくから」
とだけ言い残して、シンは準備室を出て行ってしまった。
「班長、配置換えというのは風紀班のメンバーの入れ替えを行うということですか」
舞は、シンの事など最初から居なかったかのように話を進め始めた、会議前に舞へは簡単に事情説明をしてあるので些か棒読みに聞こえる
「そうだ、最近ハイブリッドやキャリアによる犯罪行為の検挙率は上がっているが、一部の班員の行き過ぎた行動のおかげでこちらへの風当たりが強くなって来たので総合判断というところだな。
それと一部特治からの要請も加味している」
自分の手柄を誇張するように橋本が俺に嫌みな視線を向けていく。特治が粋がるなとでも言いたいのだろうか、反対に渚の表情はあまり芳しく無い結果だと思っていたらしく班員を見渡した
「わかりました、今回の議案ですが対策班の独立と特治との協力体制についてです。会長が穏やかじゃないといったのは対策班の独立についてですね」
舞の進行でこの議案に関する内容が話されていく、橋本は面白くなそうに舞と俺を睨みつけて来た。
「すまない、それもあって準備で遅くなった。」
「遅刻理由に関しては、先んじて伺っていますので。どうぞ座って下さい」
渚は舞に断りを入れて九朗の横へ座った。
「配置表の作成に時間がかかってしまったんだ、犯罪思考のある奴を抱えるわけにいかないからな。
さて、遅れてきた分の仕事はしなきゃいけないな。副会長、、この後の議案に進む前に改めたこちらの
組織体制を発表しておこう」
渚が配った配置表と組織図はその場にいた風紀班の一部メンバーを激怒させていた、しかしその一部を除けばやっとかというような顔でしていた
「班長!これはどういうことですか、なぜ自分が班を離れなければいけないんですか、説明してください」
橋本が一番頭にきているのはこの場の誰もがわかっている、そうこの場で配置変更の情報が入っていないのは副班長である橋下のチームだけなのだから
「それ俺から説明するよ」
「貴様は部外者だろう!これは風紀班の問題だ!!」
腰に携帯していた特殊警棒を振り抜き俺へ向け、さらに怒気を膨らませる。警棒を抜く時点で頭おかしいだろ此奴
「いや、おまえに関しては俺から渚班長に外すように要請した」
「ふざけるな!なんの権利があって要請が出せるんだ!」
手にした資料を丸めテーブルを叩くとか、感情的になりすぎるだろ此奴
「うるせぇな、犯罪者を取り締まるのに、犯罪者を使うわけねぇだろう。もう色々裏も取れてる、おまえがこの島に来る事になった経緯なんかも含めて全部報告書を渡してあるよ」
若干の焦りを顔に浮かべるが、それでも往生際悪く喚いていて、なんとも小物感しか感じない
「昨日の今日でそんなこと調べられるわけ無いだろう!俺が何をしたって言うんだ!」
先程、渚に見せたものと同様の資料をチラつかせながら橋本に睨みを効かせる
「お前の名前に覚えがあったからな、履歴追ったらすぐに出てきたぞ。ハイブリッドへの暴行その他で前の学校を退学になるところでこっちに転校してきて有耶無耶、調べるのに10分もかからなかったぞ」
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