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終幕

 某県某市の寂れた田舎。人が寄り付かないような場所に一つの校舎はあった。薄気味悪く、心霊スポットとしても有名だ。雑誌やインターネットでも有名になっている。しかし実際に来る人はほとんどいない。あまりに交通の便が悪いためだろう。

 日も沈み、月が夜空に昇った頃。一つの影はその噂の校舎の前に立ち、それをじっと見上げた。ここがあの、と小さく呟くと、影は満足そうに口元を吊り上げた。


「さぁて、オカルトマニアとして心霊現象を体験してこよう」


 にこにこと楽しそうに微笑んでいる。浮足立ってスキップしながらその影は開け広げられた大きなガラス戸の中に足を踏み入れた。

 埃の古臭い匂いが鼻をくすぐる。立ち並ぶ下駄箱はどれも埃は被っており、何年も使われていないことはよくわかる。靴なんかは一足も目に見えていない。掲示板にも何もなく、ただボロボロと埃っぽいだけだ。


「ねぇ、七不思議に興味ない?」


 その影に一つの人影が話し掛ける。驚いてそちらに目を向けると、鞄を抱えた女子高生はにこにこと微笑んで立っていた。


「私ね、柏井って言うの。七不思議を探しているんだ。よかったら一緒に探さない?」

「えっ、一緒に探してくれるの? 心強いね」

「うん。じゃあまず、私の友達の花子ちゃんの所から行こうか」


 柏井、と名乗った彼女はひらりとスカートを揺らして歩き出す。その後ろをその影は追うように歩いて行った。

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