神様クエスト
僕は結局【神様おまかせパック】を取得し、108ポイントでとれるだけのスキルを取り、異世界アースカルフへと旅立った。
あの神様に容姿と性別、種族を変えられるのはものすごく不安だったが、スキルなしで過酷な異世界を生きる事は選べなかった。
やっぱり安全で快適な生活がしたいよね。
・・・・・・・・・・・・
目を開けると視界いっぱいに青い空が写る。周りを見ると、一面に背の低い草が生えており、遠くまで草原が広がっている。
ついに異世界に来てしまったのか。
「アイテムボックス」
と唱えると、目の前に黒い膜のようなものが出現する。
そこに手を突っ込み取り出したいものをイメージすると、手鏡を取り出すことができた。
スキルは簡単に使うことができるようだ。
恐る恐る鏡を見てみると、そこには14~5歳ぐらいの可愛らしい少女が映し出されていた。
気の強そうな瞳に小さな鼻と口、あどけなさが残りつつも整った顔立ち、薄っすらと染まる頬、サラサラとした金髪が肩まで伸びている。
身長は150センチくらいで、バランスのよいスタイルをしている。
自分の面影などもはやどこにも無い。信じられないくらいの美少女がそこにはいた。
これが自分だなんて到底信じられない。片目を瞑ってみると、目の前の少女も片目を瞑る。頬をひねると、目の前の少女も頬をひねる。肌が敏感でちょっと痛かった。
やっぱり目の前に写る少女は僕で間違いないようだ。
性別が変わりそうなことは予想できたとはいえ、やはりショックだ。
少し後悔したが、いやいやこれでよかったのだと思い直す。
スキルも使えるし、荷物も取り出すことができた。
とりあえずステータスを確認しよう。
名前 :トモミ ♀ 14才
種族 :ハーフエルフ
所持スキル:剣術Lv1
回避術Lv1
気配察知Lv1
アイテムボックス(レアスキル)
アイテムボックス修復機能付き(レアスキル)
鑑定Lv1(レアスキル)
瞬間移動Lv1(レアスキル)
バナナトラップLv1
剣術、回避術、気配察知はアースカルフでは一般的なスキルで、すぐに戦闘になっても使えそうなので取ることにした。それぞれスキルポイント10消費。
アイテムボックスだけはレベルが付かないらしい。
アイテムボックス 消費ポイント:20
修復機能付きのアイテムボックスは+10ポイントで手に入った。
これは最初に入れた物の状態を記録し、それが壊れても変化しても元の状態に戻してくれる。赤段ボールに入れたものがここに入っている。
容量はそれぞれ段ボール8箱分と1箱分である。
鑑定 20ポイント消費
見ただけであらゆる物の詳細な情報を知ることができる。
Lvを上げることで見ることができる内容や種類が増える。
高レベルになると人のスキルを見ることもできる。
瞬間移動 20ポイント消費
一度行ったことがある場所に限り、瞬間移動ができる。
Lvを上げることで移動できる距離が延びる。
バナナトラップ 8ポイント消費
なんでもいいので皮を地面に置くと、そこを踏んだ人を必ず転かすことができる。
バナナの皮である必要は無いらしい。
というわけで、こんな感じになった。
魔獣に出くわした場合、基本的には危なくなったら瞬間移動で逃げる方針だ
鑑定で倒せそうだと判断できたら、剣術で倒す感じで行こうと思う。
そうこうするうちに奴がやって来た。
僕をこんな体にした張本人だ。
「やあ、元気?アースカルフへようこそ。
どうかな?君の新しい体は、結構自信作なんだよ。」
「はぁ、…どうかな?じゃないよ。勝手に性別を変えられてうれしいわけ無いだろ。」
「う~ん、やっぱりノリノリで受け入れてはくれないか。
でも、こうなったらさっさと慣れるしかないよ。」
誰のせいでこうなったと思っているんだ?
「それはともかく、
最後に1つだけ説明が残っていてね、そのために来たんだよ。」
「説明?」
「そう君にこの世界でやってもらいたいことの説明だよ。
その名も『神様クエスト』。
№1~100まであって、それぞれに報酬も用意しているよ。
君のステータスボードに№1のクエストを表示しておくよ。
クエストをクリアするごとに№2から順に開示していくからね。」
ステータスボードを見ると、なるほどクエスト№1の記載が付け加えられていた。
報酬もあるらしい
しかし、ここまで理不尽なことをされていて、この神様の望み道り行動するのはちょっと癪である。
こんなクエストほっておいて好き勝手に生きよう!
罠があるかもしれないしね。
「あ!そうだ。
特別に№50と№100の報酬を教えるね。
№50は地球のインターネットに接続、№100は性転換薬だよ」
くそおおお!やるしかねえじゃねえかあああ!