プロローグ
僕はあたり一面すべてが灰色の不思議な空間に立っていて、なぜだかわからないがここが夢の中だとすぐに理解した。明晰夢というやつだろうか。
目の前には金髪の美女がいて、私は神だ!と言っている。そして、何の説明もなしに聞いてくるのだ。
「異世界に転生してみないか?ちなみに、転生先は剣と魔法の世界だよ。」と。
最近、異世界転生だとかトリップといったネット小説ばかり読んでいるせいでこんな夢を見るのだろう。
夢にしては意識がはっきりしているような気がする、が気のせいだ。
どうせ夢なのだから適当に返事することにしよう。
「転生かーどうしよっかなー。あ!そうだ、転生特典でチートな能力とかもらえたりする?」
「はい、転生では便利なスキルを選ぶことができます。中にはレアスキルと呼ばれるスキルも選ぶことができます。これは向うの世界で大きなアドバンテージになります。」
へーなんか楽してチートができて楽しそうだ。
「どうです?思い切って異世界行ってみませんか?人生変わりますよ。」
確かに文字通り人生変わるね。
ま~どうせ夢だしな
「OK~了解。異世界行ってみよう」
「はい。承りました。あなたの異世界行きを決定します。」
次の瞬間暗転し、僕は自室で目を覚ました。
僕は目覚めた後もはっきり夢の内容を覚えていた。変な夢だったが夢は夢だ。
その証拠に僕が今いるのは見慣れた自分の部屋であり、見知らぬ異世界に来てなどいない。
「ああ、やっぱり夢だったかー」
「うん、でも異世界行きは本当だよ」
「…!!!!」
僕一人しかいない筈の部屋で急に後ろから声がする。
ものすごくびっくりして後ろを振り向くと夢のなかで見た金髪の美女(自称神)が立っていた。