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ネッカー川のホルデルリン城

作者: イプシロン
掲載日:2026/05/26


  画架に置かれた帆布(キャンバス)

  絶命を引き絞って殺している

  悶絶する絵筆と連れ立てる

  不条理なユウゼンギクは

  亜鉛色した根茎(こんけい)の喉笛から

  錯乱した臙脂(えんじ)の水玉を飛び散らせる

  また、痙攣した聖書の格子を(のぼ)らせる

  瘧疾(ぎゃくしつ)よ、お前はどこで何を求めるのだ?


  おお、吾が友、吾が友

  波つき(さか)めく金の髪した遺像

  憧れが腐着し苔むした城で出逢い

  刹那に永劫をわかちあえる吾が友

  簒立する古塔へと気球へ乗って

  本望を覆っている世々の溜息を眺めたい



    "Das Schlos am Neckar"


  Die auf die Staffelei gebannte Leinwand

  spannt das Verenden straff und totet es.

  Mit windenden Pinseln zieht sie einher.

  Die absurde Herbstaster

  last aus der Kehle des zinkgrauen Wurzelstocks

  verwirrte karminrote Tropfen zerstieben.

  Auch krampfende Bibelgitter last sie steigen.

  O Wechselfieber — wonach suchst du, und wo?


  O mein Freund, mein ewiger Freund,

  du Bild aus goldnem, gegenwogendem Haar —

  Im moosblinden Schlos begegnen wir uns.

  Faultige Sehnsucht. Freund der Ewigkeit.

  Im Ballon zum usurpierten Turm.

  ※14行ソネット形式(ペトラルカ)

  脚韻:ABBAABBA CDECDE

  一連8(オクターヴ)の脚韻形式はこれだけ

  二連6(セステット)はこの他に複数の脚韻形式がある

  とはいえ、最後は音韻と呼吸が大事


  ドイツ語訳詩は脚韻とか緩々でイメージと音優先

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