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空白 [メモ]
新しいノートブックを買い、まっさらなページを眺め、それだけで高揚感を持つ。
まだ自分でも何か分からない、膨大な文字や絵を書き込むことを夢想する。
ノートブックが一つの作品のように完成するのを思い描き、そこに書き入れたものが完璧であるように計画する。
途端に筆先が鈍る。
丁寧でなければならない、誤字・脱字は厳禁、何かしらの価値がなければならない。
ノートブックが埋まらないまま年月が過ぎる。
空白のノートブックはそのままに、私の頭の中に溢れていた筈のものも溢れさった。
そして私は後悔する、どうして何でもいいから、雑でもいいから、その時に書き残しておかなかったのか。
書いて、捨てる、勇気さえあれば。
ノートブックはそこにあったのに。
ただ、今でもノートブックはある。
まだ書くことはできるようなのだ。
2025年(令和07)02月03日(月)