表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夏の物語  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第3章 疑惑の館
8/15

第8話 盗難

 朝日が昇る、日が当たる。今日も元気に動き出す。

「…うーん、あぁ~……。」

目を覚ますと目の前に唯の顔が。結城は震えあがった。驚いたからではない。いや驚いたのだが、震えるほどではなかった。なぜ震えたのか。それは鈍すぎる結城でも1分後には気づいた。服がなかったのだ。そして布団は視線の先ですやすや寝ている唯がくるまっていて取られていた。

「さむぅ!!!!」

結城が服を着て、ブルブル震えながら床に体育座りをしていると、唯が目覚めて話しかけてきた。

「よっす!おは~。」

「おは~じゃねぇよ!寒い寒い。」

「一体何してたんだよ。」

「起きたら布団は奪われてるし、服を着てなかったんだよぉ。」

唯はぎょっとした顔で汚物を見るような目で結城を見つめる。

「あんた、何もしてないでしょうね?もししてたら…。」

そう言いながらどこからともなく包丁を取り出し、結城の喉元に突きつける。

「わ、わ、私は何にも存じ上げません。全くの無実でありまするぅ!!」

いくら距離が近いとはいえ限度というものはあるようだ。寝るときには服を着ていたのに何処へいってしまったのか。唯のいたずらでもなさそうだし一体…と結城は考えを巡らせていたのだった。


 朝ごはんを食べるため、大広間に下りていくと何やら騒々しい。何かあったのだろうか。

「だから、私の高級アクセサリーがどっかに消えてしまったのよ!」

「私の腕時計もそうよ。昨日つけていたのに。」

「落ち着いてください。もう一度探してみましょう。」

どうやら盗難事件のようだ。無くなったのは時計、アクセサリー等でかなりの数のようだ。

「皆さん、おはようございます。私は天草林(あまくさりん)と申します。実はとある探偵の下で経験を積んでおりまして、もしかしたらお力になれるかもしれないのですが。」

「本当ですか?よろしくお願いします。警察には通報してあるのですが、到着が遅れるとのことで…。」

なぜか唯が首を突っ込んで調査を行うことになった。

唯はさっそく調査を開始し、現場に案内してもらうことになった。アクセサリーは外して机の上に置いていたらしい。朝、目を覚まして再びつけようとしたところ見当たらなかったという。時計も同様で、夜の間に誰かが持ち去ったのではないかとのこと。その他にも簪や手鏡等も行方が分からなくなっていたが、同様の証言で夜の間に単独犯もしくは複数犯で各部屋に侵入し、持ち去ったものと考えられる。

「さぁて、どうするか。」

居合わせただけの私たちにとって、この館のことは全く分からない。もちろんそれは招待客にとっても同じ事。だが、唯だけは尋常じゃない勘を持っている。これが事件解決へと導いてくれる、結城はそう感じていた。


 果たして調査は進むのか。そして警察も到着し、捜査が始まる!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ