第7話 グサッからのぐりぐり
ご馳走をたらふく食べ、眠気に襲われた2人はおとなしく部屋に戻ることにした。大広間では招かれた人々が盛大なパーティーをしている。部屋の扉を開けると、唯は椅子に腰かけて結城をじっと見つめ始めた。
「なんだよ?」
結城はぶっきらぼうにそう言うとベッドに突っ伏した。唯はなおじっと眺めている。何をやっているのかという目で。結城は寝返りをうった。天井を見上げようとした次の瞬間!
「痛ってぇ!?」
尻に刺さっていた割り箸がさらに深く刺さった。うぅ、痛そうである。唯は嘲笑うような史上最高にむかつく表情で笑っている。
「結城、さすがの私も笑ってしまったよ。いつから刺さったままなのかね。」
「こんなの、ひどいよ…。いったいいつから…。」
まさか、あれ?あの時から!?!?唯も思わず声が出ない。
(こいつ、ここまで鈍かったのか。少々見くびっていたようだ。)
「とりあえず大丈夫か?まあ休め。仕方がないな、私が添い寝してやろう。」
「お前の添い寝は布団全部取られるからイヤだ。寒いもん。」
唯としては一種の罪滅ぼしであったのだが、拒絶されてしまった。それに腹が立った唯は尻に刺さったままの割り箸をがしっと掴み、ぐりぐりしてやった。
「ギィヤアアアァァ…。」
彼は眠りについた、いろんな意味で。唯、失笑。
深夜、廊下を歩く怪しい人影が1つ。床がギシギシと鳴る。しかし、パーティーは終わっており、起きている者もいない。誰も怪しい行動には気づかないのであった。
翌日、結城は血便であった。しかし、それがどうでもよくなるほど衝撃的なことが起こっていたのであった。