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夏の物語  作者: 水上イリス / ICCHAMA
第2章 わーぷ
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第6話 ぱーてぃー

 花に案内されて館に入ると、広々とした大広間(広いから大広間なんですが!?)が目の前に広がっていた。ろうそくがたくさん灯された豪華なシャンデリア、高級感あふれるレッドカーペット、火が大きく燃えている暖炉。階段を上がると長い廊下に無数の扉があふれている。

「どうぞこちらの部屋をお使いください。ごゆっくり。」

どうやらここの部屋を好きに使っていいらしい。全くの初対面なのにすごい待遇である。

「すごいすごい、部屋にドリンクバーがある!」

分かりやすく喜びながらコーラと乳酸菌飲料のMIXを注ぎ始めた唯を、結城はほげ~っと見ている。

「何だい、注がないのかい?そこにジュースがあれば飲むのが紳士たる振る舞いであろう?」

謎理論を展開している唯を白い目で見ていた結城であったが、誘惑に負け、ジンジャーエールを注ぎ始めた。そして、ごくんごくん…。

「くぅ~、美味い!!!」

ジンジャーエールをキメた結城の雄たけびにぎょっとする唯。結城よ、引かれているぞ。その後もこの調子で満喫したのだった。

 日が沈み、暗くなってきた頃、花さんがやってきた。

「夕ご飯の準備が整いました。よろしければ大広間へいらっしゃってください。」

「ありがとうございます。後ほど伺います。」

なんとなく敬語を使ってしまう結城。階段を下りると、大きなテーブルいっぱいに様々な料理が並んでいた。ハンバーグからパスタ、サラダにパン、ナンやカレーまである。そして他にも招かれた人たちが集まっていた。もう完全にホテルのバイキングである。いや、それ以上の規模の食事に感無量というか、驚愕であった。2人は感謝しながら頂くことにした。

「ナンうめ~~~~!!」

「カレーも美味しいですわね。」

結城はナンとインドカレー、唯はカレーライスを食べた。どちらもとてもおいしく、2人とも満足気である。

「あら、あなたたち若いわね。どうしてこちらへ?招かれたの?」

 化粧をした熟年女性が話しかけてきた。

「はじめまして。私たちは偶然こちらにたどり着いたのです。気前よく接待していただけて嬉しい限りです。」

「そうなの。ここの森を歩いて来るのはさぞ大変だったでしょう。」

「あなた方はどうしてここに?」

逆に質問してみた。

「私たちはとある人が企画したパーティーに参加しているの。ここへはその人が手配してくれた馬車で来たのよ。」

「そうなんですね~。」

どうやら特別なパーティーが開かれているようだ。邪魔にならないように過ごすとしよう。



 こうして館ではパーティーが始まろうとしていた。その後何が起きるかも知らずに。

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