第87話 雑誌取材
あれから、親父は家に帰ってくることが増えた。
どうやら、本当に時間に余裕ができたらしい。
「じゃあ、俺出かけるから」
「行ってらっしゃい」
妹に見送られて俺は仕事に向かう。
今日は莉央と雑誌取材が入っている。
それは、全国のコンビニでも売られているような有名誌で仕事がきた時は驚いた。
事務所へ到着すると、すでに莉央が準備をしていた。
「おはよう」
「あ、おはよう」
「なんか久しぶりって感じだな」
実際には一週間ほどしか期間は空いていないのだが、アジア大会前はほぼ毎日顔を合わせていたので久しぶりに感じてしまう。
「てか、諒のお父さん大丈夫なの? ニュース見たけどあの政治家の事件暴いたの諒のお父さんでしょ?」
「ああ、親父は何とか警察に残れるみたい。莉央にも心配かけたな」
「それなら良かったけど、本当にすごいね。諒のお父さんは」
「そうか?」
人から改めてこう言われて俺は考えた。
「だって警視庁の捜査一課長だよ。普通なら立場を守ることを考えてもいいのに、恐れず告発するなんて誰にもできることじゃないよ」
「まあ、確かにそうか」
「うん、最高にかっこいいお父さんだと思うよ」
そんなことを話しながら俺も準備を進める。
今日は写真撮影もあるため、メイクさんがきちんとセットしてくれている。
「二人とも、準備はいい?」
マネージャーの白瀬さんが控室へとやってきた。
「はい、大丈夫です」
「俺もです」
まずは、インタビューから始まる。
そのあと、雑誌に使う写真が撮られるようだ。
「頑張ってね。今回は表紙も二人なんだから」
今回は前回と違い、ゲーム雑誌の表紙に抜擢された。
アジア大会優勝が効いたのだろう。
記者から質問が飛んでくる。
「お二人がゲームをする上で意識していることはありますか?」
「やっぱり、一番は楽しむことですかね。楽しんでプレイしている姿って視聴者さんにも伝わると思うんですよ」
そんなインタビューがつづき、写真撮影の時間となった。
「では、表紙写真からいきますね」
俺と莉央は衣装を黒でまとめ、統一感を出している。
「莉央さんが高森さんの肩に手を置いて、こうカッコつけてる感じでお願いします」
「分かりました」
カメラマンの指示の通りに俺たちはポーズを決める。
「いいですねぇ。まさに美男美女って感じですよ」
嬉しそうにカメラマンがシャッターを切って行く。
「お疲れ様でした。これで撮影も以上になります」
「「ありがとうございました」」
無事に撮影までが終了した。
「発売、楽しみにしててくださいね」
予定では来月発売される。
「はい、楽しみにしています!」
俺たちは発売されるのを楽しみに待つのであった。




