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第81話 アジア大会①

 いよいよアジア大会がスタートした。

この大会で上位の結果を残したペアが世界大会の出場権を獲得することとなる。


 やがて、カウントダウンが始まり、ゲームがスタートする。


「どこ降りるー?」

「こことかでどう?」


 俺は地図上にピンを刺す。

激戦区からは少しだけ外れた位置だ。


 でも、すぐに激戦区にも移動できる都合のいい場所だ。


「おっけー」

「降りたらまずは装備揃えるか」


 まずは物資だ。

ことを有利に進ませなくては勝ちはない。


「俺、正面の家行くわ」

「じゃあ、私はその隣の倉庫漁ります」

「了解」


 この地に降りる時に周りを確認していたが、ここに降りているのは俺たちだけ。

激戦区である隣に位置する都市には何個かパラシュートが降りているのが見えた。

複数のパーティが降りているのでおそらく開幕戦になっていることだろう。


「ここで物資充実させたら移動したほうがいいな」

「だな」


 俺は落ちている武器と銃弾を拾って行く。

スナイパーとアサルトを拾えた。

後は回復キットや投げ物系を充実させれば十分に戦えるだろう。


「莉央は物資どんな感じ?」

「アサルトが欲しいかも」

「この家の2階にあるよ」

「ありがとう。拾いに行く」


 莉央は移動してアサルトを拾った。


「俺は物資いい感じだけどもう大丈夫?」

「うん、もう行けるよ」

「じゃあ、移動しますか」

「だね」


 そろそろ、第一段階の安全エリアの収縮が始まる。

ここはギリギリ安全エリアからは外れていた。


「とりあえず、エリア向かったほうが良さそうだな」

「おっけ」

「撃ち合いになる可能性高いからあ気をつけていこう」


 俺はスナイパーからアサルトに切り替える。


「ここ、足跡出てるな」

「そうだね」


 右上の地図に複数の足跡マークが表示されている。

こちらの足跡も向こうに伝わっていることだろう。

これは慎重に索敵する必要がある。


「注意していきましょう」

「そうだな。できるだけ射線切ろう」

「了解です」


 敵に近づくと足音や銃声が聞こえるのだが、まだ足音は聞こえて来ない。

銃声もしないので、向こうもこちらの位置までは把握できていないのだろう。


「莉央、そっちどう?」

「多分、正面の家のどっちかだと思う。一瞬動いた影が見えた」

「やっぱりか」


 こういう時の莉央の索敵は俺以上だと思う。

莉央は目がいいのだ。


「タカモリさん、足音!」

「マジか」


 莉央の声で確認すると、確かに足音が聞こえる。


「隣だな」


 俺も窓から一瞬、移動する影が見えたのを確認した。


「俺、手榴弾投げてもいい?」

「了解! 私フォローする」

「さんきゅ」


 俺はアサルトからスナイパーに切り替える。

そして、そのまま手榴弾を隣の家の二階の窓に向かって放り投げた。


 投げて数秒で爆発音が聞こえてくる。

俺の画面にはキルログが表示される。


「やったやったやった。詰めるぞ」

「了解」

「やったのは1人だからもう1人いる。多分今、味方蘇生していると思う」


 俺のキルログに映ったのは一人だけだった。


 俺たちはすぐに隣の家に移動する。

先頭を行っていた莉央が発砲する。


「やりました! 確キルです」

「ナイスー! さっきの手榴弾でやったやつも確とった」

「ナイスです!」


 俺たちのプレイを見て会場も、配信も盛り上がる。


【索敵うますぎ】

【タカモリさんの投げ物うますぎやろ】

【相変わらずいい連携するな】


 コメントの方も勢いよく流れて行く。


「物資漁ったらまた移動しますか」

「そうだね」


 アジア大会ということで、いつもより敵が減るのが遅い。

今、俺たちが倒したペアで4組目という所だ。

みんな慎重になってなかなか移動しないのであろう。


 今大会の本命のペアはまだまだ残っている。

前回の世界大会に進出したプロゲームチームの二人だ。

今のところ、予想順位の低い方から順番にやられている感じである。


「まだまだ、敵は残ってるね」

「そうだな。集中していこう」


 普段より緊張しているが、それ以上に楽しんでいる自分がいる。


「よし、移動しよう」


 そしてまた安全エリアの収縮が始まってきた。

エリア外で死んだりする訳にはいかないのでエリアに入るため、移動を再開した。

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