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第75話 コラボ動画の反響

 俺は21時のプレミア公開に合わせて、莉央のチャンネルにアップされた動画を再生する。


 チャット欄ではかなりの盛り上がりを見せている。

コメントの流れが早すぎで目では追えないほどである。


《この2人の日常動画とか新鮮!》

《莉央ちゃん可愛い!!》

《おい、takamori、そこ代われ!》


 好意的なコメントが多いように思う。

俺たちの動画は基本的には荒れたことがない。


「すごいな……」


 視聴者数は4万人を越えている。

動画の時間は21分。

最近の動画の傾向としてはちょうどいいくらいの時間であろう。


 そして、12分の所で問題のシーンが訪れた。

俺たちがクレープを交換しているシーンである。


 あれは、見方によったら間接キスだ。

いや、見方によらなくてもそうかもしれない。


「あいつ、そのまま使ったのか……」


 これは、炎上するかもしれないと思い、チャット欄を見たが、全くそんなことは無かった。

むしろ逆まである。


《羨ましいぞ!》

《微笑ましいな》

《仕事で嫌なことあったけど、この2人見てたらどうでも良くなった》

《俺も莉央ちゃんにクレープ食べさてもらいたい》

《美少女にクレープ食べさせてもらえる世界線どこ?》


 炎上など、1ミリもしていない。

大半が羨ましいと言う声だった。


「よかった……」


 そこからは、普通にクレープを食べて動画は終了した。

動画が終了したタイミングで莉央から電話がかかってきた。


『動画見てくれた?』

「ああ、見たよ」

『どうだった? 私の編集』

「それは、見やすいと思ったよ」


 莉央はちゃんと視聴者のことを考えてカットを入れたり、SEを入れたりしている。

テロップもちゃんと凝っているのが伝わってくる。


『ありがとう!』

「でも、あのシーンもそのまま使ったんだな」

『あのシーン?』


 莉央はどのシーンを言っているのか、わかっていないような感じである。


「ほら、クレープ交換しているシーン」

『ああー、使ったね』

「一瞬、炎上するかと思ったぞ」

『でも、結果的には使った方がよかったでしょ?』

「まあな」


 結果的にはあのシーンがあったから、動画が面白くなっているし、視聴者の反応も良かった。


『すでにあのシーン切り抜かれてるしねぇ』

「マジか」


 俺はその言葉で確認すると、本当に切り抜きが上がっていた。


『明日の数字が楽しみだね』

「そうだな。今日はお疲れ。ゆっくり休んでくれ」

『うん、そうするー』


 こうして、莉央との通話を終了させる。


 翌日。

朝起きて昨日上がった動画を確認する。


「マジか……」


 朝の時点で246万回再生。

急上昇ランキングは1位を掻っ攫っていた。


 SNSを確認すると、トレンドにも入っている。

これは、また話題を作ってしまったようである。


 通知には『急上昇ランキング1位おめでとうございます』と言う言葉で溢れていた。


『急上昇1位とれちゃったね』

 

 俺は莉央に連絡を入れる。

すると、すぐに通知がついた。


『私もここまで行くとは思っていなかったからびっくりよ』


 莉央の他の動画は多くても80万再生ほどだ。

今回の動画で頭ひとつ抜けてしまったわけである。


 こうして、俺たちは更にチャンネル登録者数を伸ばすのであった。


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