第24話 ざまぁされた幼馴染み②
諒に告白した日の夜のことである。
えまは真っ暗な部屋の中に居た。
「私って、なんて馬鹿なの……」
後悔の念に苛まれる。
彼氏には浮気された挙句に捨てられた。
元々、浮気を繰り返していたような男だった。
顔だけは良かったので、付き合っていたが、捨てられた。
元カレに言われた言葉が、今も私の中には重たく残っている。
「ちょっと顔がいいからって調子に乗るな」
お前だけには言われたくないと思ったが、今はその言葉が離れない。
あの時、諒の告白を断っていなかったら。
もっと、早く彼氏と別れる決断をしておけば。
今が変わったかもしれない。
「はぁ……」
吐き出したため息が宙を舞う。
SNSを見れば諒の名前がまだトレンドに入っている。
さっきまでは、見る気も起きなかった諒の動画。
私はなんとなく、動画投稿サイトのアプリを開く。
Takamoriと打ち込むと、動画が大量に出てくる。
一番上に出てきたのは、顔出しでレーシングゲームをするという生配信のアーカイブだった。
「何よ、一緒の方向を向いて歩きたいって思える人って。カッコつけんなよ」
おそらく、諒の想い人というのは、この一緒に生配信をしている女の子だろう。
美少女プロゲーマーと呼ばれているだけあって、確かに可愛い。
アーカイブは一時間と少しあった。
えまは飛ばし飛ばしその動画を眺めて行く。
最初こそ、二人の間には少し距離があったが、ゲームに夢中になって行くに連れて、二人の距離は近くなって行く。
無意識に距離が近づいているのだろう。
『タカモリさん、初見とか嘘じゃん』
『いや、ほぼ初見だって。莉央もうまいよ』
『でしょー』
『あはは』
楽しそうだ。
女の方は、諒に軽くボディタッチしている。
こういうの、男は弱いことはえまも知っている。
【もう、付き合っちゃえよ】
【既に付き合ってたり?】
【仲良しか!】
【二人、お似合いだと思います!】
コメント欄にはそんな言葉ばかりが並んでいる。
確かに、この動画だけを見たら、お似合いなんだと誰もが思うだろう。
「ちょっとゲームが上手いだけじゃない! 私の方が諒のこと昔から知ってるし! こんな、ぽっと出の女に奪われるなんて……!」
えまはそれ以上動画をみることができなかった。
とてもじゃ無いけど、仲睦まじい二人の様子を見ていることは今のえまにはできなかった。
えまは思わず、見ていたスマホをベッドにぶん投げる。
「あああああああああ、私はなんてことをしてしまったの……!!」
あの日に戻りたい。
どんだけ後悔しても時間は戻ることは無い。
「神様、時間戻してよー!!」
そんな声にもならない声でえまは言った。




