第18話 無双の始まり
今日は莉央と生配信を約束している当日となった。
最近感じるのは、時間の流れが一瞬で過ぎ去っていくということだ。
俺は莉央と渋谷駅のハチ公前で待ち合わせをしていた。
渋谷の定番待ち合わせスポットである。
時刻は18時半、そろそろ待ち合わせの時間だ。
「お待たせー!」
「いや、そんなに待ってないよ」
莉央は今日も黒のワンピースだった。
この前のものとは少し違うみたいだが、とても似合ってる。
俺は相変わらずの真っ黒になっている。
「諒はどうせ黒だと思って、私も合わせてみたんだけど、どうかな?」
「似合ってるよ。合わせてくれてありがとう」
わざわざ俺にあせてくれたというのはシンプルに嬉しい。
「じゃあ、行こうか」
「うん!」
俺の所属している事務所はここから歩いてすぐの所にある。
「ここ」
俺は事務所のビルを指して言った。
「諒の所属事務所、大手だって知ってたけど、すごい所にあるね」
「まあ、そうかもね」
配信者やアイドル、女優なども所属している業界では最大手と呼ばれる事務所である。
「まあ、行きましょう」
俺はエレベーターに乗ると、9階のボタンを押す。
そして、自分のICカードを使って解錠する。
「白瀬さん」
デスクで仕事をしていた白瀬さんに声をかける。
「高森さん、お待ちしてました。スタジオ、押さえてありますよ。どうぞ」
俺たちは白瀬さんの後についていく。
「ここ、自由に使ってください!」
「広っ!」
「さすが、大手……」
そこは事務所が所有している中でもかなりの広さのスタジオだった。
ゲーム実況をするだけでは勿体無いほどの広さがある。
「部長が、莉央さんと高森さんが一緒にプレイするならって、押さえてくれたんですよ」
「ありがとうございます。部長さんにもお礼言っといてください」
「はい、伝えておきますね」
「じゃあ、早速、配信準備始めますか」
俺たちは配信する準備を済ませていく。
今日はお互いに顔出しなので、カメラをセットし、照明を当てる。
俺たちの座るソファーの後ろにはグリーンバックを下ろした。
ゲーム画面を配信に移すための作業をすれば完璧だ。
「莉央、こんな感じでどうだ?」
「うーん、照明の角度がもうちょっと、こうかな」
莉央は照明の微調整をしている。
「うん、完璧!」
「さすがだな」
「でしょー」
莉央は自慢げな表情を浮かべている。
「諒、ちょっとここ座って」
「お、おう」
俺は莉央に言われた通りにソファーへと座る。
「髪、やってあげる」
そういうと、莉央は俺の髪をワックスとスプレーを使って整えていく。
「どう?」
「すごいな、莉央」
鏡で自分を見ると、自分でセットするより倍以上よく見える。
「私、こういうの得意だから。また、顔出しするときやってあげるよ」
「ありがとう。助かるよ」
俺はゲーム以外は特に才能があるわけではない。
だから、たまに莉央のことは羨ましくなる。
「さて、そろそろ時間だな」
「だね」
告知した配信時間の10分前になった。
俺たちはソファーに横並びで座り、配信の予約画面を見る。
「これ、壊れてないよな?」
「う、うん。そうだと思う」
そこに映っていたのは目を疑うものだった。
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