第13話 試合のその後
大体2試合やると、配信開始から一時間が経過しようとしていた。
莉央とのデュオは楽しかった。
やはり、上手い人とやるとすごく楽しいし、一瞬で時間が過ぎて行く。
「じゃあ、今日はこれで終わりにしますね」
元々、配信は一時間やると決めていた。
大体一時間経過したので、俺たちはこれで配信を終わることにした。
『配信お疲れさまです!』
『楽しかったです!』
『また、コラボ待ってます』
ある程度、コメントを捌くと、俺たちは配信を終了させた。
「今日はありがとうな」
『こちらこそ、めっちゃ楽しかったよ』
「俺も、誰かとゲームしてこんなに楽しかったのは久しぶりだよ」
『それは嬉しい』
声だけしか聞こえないが、莉央が微笑んでいるのが分かる。
声も可愛いんだよな。
天は二物どころか三物与えていると思う。
『ねぇ、明日か明後日空いてる?』
「明日なら、空いてるよ」
明日は土曜日で学校もなければ予定もない。
『じゃあさ、直接会ってくれないかな?』
「それは、構わないけど、何かあるのか?」
『それは、会ってから話すよ』
「分かった。いいよ」
特に断る理由もないし、正直、莉央とはもう一度会いたいと思っていた。
莉央の顔を見ると、不思議と元気が出る気がするのだ。
『じゃあ、この前と同じ喫茶店で14時でいい?』
「ああ、大丈夫だ」
『ありがとう。楽しみにしてる。じゃあ、おやすみ』
「うん、おやすみ」
そう言うと、俺たちは通話を終了させた。
「風呂入って寝るか」
集中力を使うと、一気に眠たくなるのは俺だけだろうか。
今日は、早めに休むことにした。
♢
翌日、起きると俺はスマホを確認する。
SNSを立ち上げると、昨日の生配信がかなりの話題となっていた。
まさかのネットニュースにも取り上げられていた。
『高校生プロゲーマー、プロホプルのデュオで無双』
そんな見出しが目立っている。
そして、エゴサをして見る。
やはり、出て来るのは昨日の配信のことばかりだ。
「アスナさん、仕事早いなぁ」
動画配信サイトには、早速昨日の配信の切り抜きが上げられていた。
『Takamori×リオ神プレイ集』
『高校生プロゲーマデュオ、キル集』
そんなタイトルが並んでいた。
名場面を切り抜いているので、再生回数もそれなりに伸びている。
これは、これからもっと伸びて行くだろう。
「まだ時間あるな」
今日は莉央と約束しているが、時間にはまだ余裕があった。
「ゲームの練習でもするか」
時間が空いている時にはゲームをすることが多い。
プロホプルを立ち上げると、ソロで試合を始める。
やはり勝てるのだが、何かしっくりこない。
「なんか、物足りない気がするな」
俺は、昨日の莉央とのデュオを思い出していた。
莉央とのデュオは楽しかった。
ゲームは勝つ事だけが全てではない。
楽しんでやることが大切なのだ。
それを改めて感じることができた。
「お、そろそろ時間か」
俺は出かける準備を始めた。




