第4話 転生ってあるんだ
それから早いもので20年、俺は80歳になっていた。スミレは6歳下なので、まだ70代だ。
俺は自分が長くないことを知っていた。外では白い妖精のような雪が儚く舞い落ちている。
人の命もまた儚く、美しいものである。雪のようにこの世界に舞い落ち、青春や労働に身を焦がし、そして消える。
俺は人生に満足している。さて、この白いとこはどこであろうか。
「綾蘭川羅神さん。先程貴方は亡くなりました。あ、アマテラスです」
べっぴんさんだなーと思いながらぼーっと見つめていた。
「あ、あの。そんなに見つめられると照れます。アマテラス照れちゃうです」
可愛かった。
「で、ここにいるわけだけど。転生とかするのか?」
俺も聞いてみた。
「あ、はい。と言ってもちょっと違う種類の転生ですね。勇者の転生はやり直すための転生なので見た目は変えないのですが、良き魂ボーナス転生は性別も見た目も変えられます。綺麗になる事だけは保証します。あと、前世の記憶を残すかどうかも選べます」
「そうだな。新しくやり直したいから、前世の記憶を消して、せっかくなので性別変えて」
「かしこまりました。いってらっしゃいっませ。失礼噛みましテャ。いってらっしゃいです」
アマテラスさん神噛みだ。さすが神々。可愛い。
「行ってきます。サポートよろしくお願いします」
そっと消えていった女神様を忘れない。