第3話 金髪ロングおじいさん爆誕
作者の暴走一つ目です。
輝貞が20歳、咲子も19歳になった年、俺は、髪を金にした。別に何もない。昔の夢を叶えただけだ。なお、会社は髪色自由だ。だが、金髪ロングの男性はいなかった。
会社にその姿で出勤すると、真っ先に部長に何故そうなったのかをひたすら聞かれ続けた。次の日には社長の髪がピンクになっていた。
更に、俺が60になった時にはもう、髪を金ロングにして、度が入った赤と青のカラコンを入れた。もちろん輝貞も咲子も家を出て立派にやっている。
家に残っているのは俺とスミレだけだ。そして、スミレと俺はいちゃいちゃしている。老けた百合に見えるかもしれないと思うとなかなかいいではないか。買い物はスミレがしている。
ただ、俺も月に1度の老人会に出ているので、さすがに覚えられているので、スミレの気持ちを思いやればよかったと思っているが、老後ぐらいいいじゃろ?
そして、老人会では若く見えることをからかわれる。まあ、話し合うことなどほとんど近況報告ぐらいだ。
となりの神田川さんが亡くなったらしい。大昔読んだ小説と同じく異世界にでも行ったのだろう。
あれももうだいぶ前になるのか。同級生もほとんど亡くなった。年賀のやりとりが年々減っていく。部長は去年亡くなり、社長も最近亡くなったらしい。