第20話 金星緑回想編
吾輩は金星緑。名前もある。由緒ある貴族の末裔だ。なんちゃって。普通の家の普通の人です。
私は調子に乗りやすいのだろうか。褒められるとついやり過ぎてしまうところがある。
例えば、会社では、産休や育休の制度をやりすぎ、給与の9割にしているのだ。大体は8割らしい。
ちなみに趣味は手芸だ。あ、やり過ぎの例思い出した。そういえば男性の声を作って叱ったり、ものすごく可愛い声で男の子を誑かしたりした事もやりすぎだったなー。
あと、会社の宴会で1人小谷城の戦いごっことか1人本能寺劇場とかしたのよくやったよなー。そうだ。私変なんだ。ま、個性だけど。
変だろうがなんだろうが、なんだかんだ生きていけた。で、大好きだった社長と結婚したのは36歳だっただろうか。
変な人は変な人に惹かれるのか、社長の髪がピンクになった時にビビっときた。社長は、本当にいい人だった。結婚しても仕事を優先したいと言うと子供の世話を積極的にしてくれた。
もちろん、社長自らが産休を取り、その後育休まで取ったことにより、職場での休みがとりやすくなった。その事で社長の評判は爆上がりした。
そして、私より先に結婚したのが紫陽花咲さんと綾蘭川さんだ。私に子供ができたというと、その頃幼かった輝貞君と咲子ちゃんを連れてうちに来てくれたこともあった。
また、会社での地引き網では輝貞君と咲子ちゃんが娘と遊んでくれた事もあった。
それから娘が成人し、結婚した。お相手もいい人そうだった。そして、65で引退し、確かそれから20年後ぐらいに社長が私の膝の上でなくなり、私はその3年後の朝日が眩しい夏に天に召された。
で、気づくとこの世界でスピナッチ=ゴールドスターとして保健室の先生をしていた。どうしてこうなったのかよくわからないが、満足はしている。マジでsatisfied。
ありがとう神。神噛みの神




