第十九話 布団が吹っ飛んだ。
さて、学校ではサクラと仲良くしているわたしを恨む人達がまた出てきた。ラン=アーサーソードとスズ=エクスカリバーだ。ウハ動ばっかり見ていたが、学校には行けていた。
そしてサクラと会った私はまた、サクラに話しかけた。
「ほんま魔王カッコええわ。サクラもそう思わん?」
「ほうやな。カッコええわ。今の国ではどうもならんのちゃう?」
「なに仲良さそうに話しているのよ。あのアーサーソード家の令嬢をほっておいて」
サクラとローズが話している間にラン=アーサーソードが割り込んできた。
「そうよ。ランの言う通りだわ。私も貴族のエクスカリバー公爵家の生まれなのよ」
「だからどうしたのよ。生まれたところがよくたつて人間性が良くないなら貴族である価値ないわ」
私は思ったことをくちに出してしまった。
「何を言っているの?生まれが全てじゃない。わかったわ。勝負しなさい。明日は土曜日だから学校で」
ラン=アーサーソードが言った。
「良いわ。やってやろうじゃない」
私が答えた。
翌日
「さあ。勝負よ」
ランの宣言により勝負が始まった。
「屈服したら負けでいいよね?」
「ええ」
私が確認するとランも同意した。
さて、先手を取ったのはランだ。
「ファイアーボール」
やっぱり貴族だけあって強い。負けずに私も技を放った。
「ふとんがふっとんだ」
突如発生したふとんが凍えるような風に乗ってランに向かっていく。すごくシュールだ。
「さむ。なにそれ。なんなのよ。ギャグが魔法になるってなに?」
ランが混乱した。更に私は魔法を放った。
「校長先生絶好調」
凍えるような冷気の中で、演説をし続ける校長が絶好調のギャグを放ち続け、全て冷気を放ちながらランに飛んでいく。
「なんなのよ。新手のいじめ?」
「それはあんたでしょ」
ランの言葉にわたしが返した。
ただランも負けていない。
「ヒートウインド」
暖かい春の風が吹いてきた。もちろんランだ。相手が春で来るなら私は夏だ。
「胸焦がす恋の炎ラブブレイズ」
ハート型の炎が相手に向かって飛んでいく。
「あんたが夏で来るなら私は秋よ。夕焼け空に灯る炎。ファイアーオブアフターグロウ」
ランの技だ。
「なぬ?」
私は驚いた。結局私が冬の技を放つ流れなので、またギャグが戻ってくることに気付いたからだ。もちろんランの技も強いけど。
「凍えよ世界。テラふとんがふっとんだ」
ふとんがふっとんだの威力1万倍の技を放った。
「やめて。その寒い奴」
ランが言った。
「じゃあ、あんたの負けでいいのね?」
私が言った。
「くっ。い、良いわよ。早く止めなさいよー」
それから数分してから止めた。意地の悪そうな顔をして。




