第15話 紫陽花咲スミレ回想編
私は紫陽花咲スミレ。私はそれほど有名な大学には行けなかった。資産の都合でだ。ただ、もともと、武家の末裔なので、兄は家督を継いだ。
私は、そんな事を気にもしていなかったが、躾は武家式だった。所作の美しさも求められ、食のマナーなども叩き込まれた。
おかげで、幼稚園から高校までずっとモテていた。ただ彼氏は作らなかった。それほど魅力的な人はいなかったのだ。
私が高校2年生の時、兄は大学に入るよう言われた。彼は医者になろうとしていた。もちろん、兄もモテモテだ。
そのために資産の殆どを使ったため、私は大学に行くためにアルバイトをして、学費を自分で稼ぎながら、公立の大学に入学し、3年で単位を取り終え、4年の時に編入して、経済を学んだ。
元々は、公務員を目指していたが、もっと活躍できるようにと考え、一般に進んだ。そこが、綾蘭川さんと出会ったエリーゼ商事だ。
彼はエリーゼがエリートと似ていてカッコいいというのと、給料で選んだらしいが、給料だけでなく、育休産休も取れるのだ。導入されたのは入社2年目だったが。
そして、綾蘭川さんと結婚し、幸せな人生を送った。それから数十年経ったある日、雪が綺麗だを最期の言葉にして綾蘭川さんが亡くなった。
私も桜の季節に亡くなったらしい。




