1.いつも通りの日常
ここはあらゆる種族が通う学校―共生学園―
色々な種族が互いに歩み寄り、交流することを目的に作られた場所である。
「ほら、そこ!シャツのボタンは留めろ!!そこの女の子はスカートが短すぎだ!めくられたいんだな!めくってやる!!」
風紀委員長の―皇和巴―
男勝りで女子人気の高い言わば男の敵であるタイプだ。少々セクハラ気味なのは目を瞑っていただきたい。
「和巴、それじゃセクハラよ?」
そこへ来たのは黒髪ロングの清楚な女子生徒。制服の着こなし方はまさに模範と言える。彼女は桐原香苗。風紀副委員長である。
「セクハラじゃないし~!ちゃんと注意してるじゃん…」
「知ってるわよ。これからも頑張って風紀委員長さん」
「副委員長のくせに…」
文句を言うのはお門違いである。香苗は私以上に働いているのだから。
「あなた、下着が見えているわ。恥ずかしくないのかしら?」
「ちっ、うるせぇな…」
「…あら?そんなこと言っていいのかしら?」
(ご愁傷様…)
心底男子生徒に同情した。
「私のロケットパンチの餌食になりたいようね」
「……は?」
私は慌てて耳を塞いだ。塞いでいるのにも関わらず恐ろい程の爆音が鳴り響く。
(……始まったなぁ……)
風紀委員長は大忙しである。
「…先生に謝っておこう…」
今日も一日が始まる。