28 即死トラップとミイラ
今日は連続投稿~( ~`・ω・´)~
隠し扉のように石碑の上側が開き、中から階段が出てきた。
「よし。」
僕は意を決して階段を降りてゆく。階段の幅は人一人がやっとでパーティーで来るのは少しキツいだろう……と言うか無理。階段が終わり少しの通路を経てどこかへ続く入口がみえる。
「そう言えば今思ったけど、ここって一層と二層の中間なんだな。」
と、僕は中々長かった一層から二層への階段を思い出して言った。この時の僕は知らない。危険とは忘れた頃にやってくるのだと……
通路の中間ぐらいまできた時だった。
僕は激しい衝撃と共に……
死に戻っていた。
「え?」
どういうことだ。確かに僕は通路を渡ろうとしていた。
「トラップ…か……」
だが、トラップの事を発動されてから感知出来なかった。
「まったく、おかげでデスペナルティーだよ。」
幸いあの隠し通路の所とリスポーン地点は近いのですぐに戻る。そして死ぬ。
戻って
死んで
戻って
死んで
戻って
死んで
………
…………
また死んだ。もうかれこれ3時間くらい死んでる。しかし、未だあの通路は抜けれない。あそこのトラップは抜けれるのだ。けど、あのあと3つほどトラップがまだあったのだ。
「くそー。一旦やめるか……」
リスポーン地点でログアウトした。
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今僕は晩ご飯の準備をしながらトラップをどう避けるかについて考えていた。
「世羅ー。ご飯出来たよー。」
「はーい」
ドタドタうるさい音を立てながら世羅が階段から降りてくる。
「そう言えばお兄は何処にいるの?フレンド検索で出てこなかったんだけど。」
「僕はね、種族のスタート地点から始めてるんだ。」
「へー。で?種族はなに?」
「人外のね、腐死体って種族だよ。」
ガタッ
「お、お兄は人外にしたの?あれって運営のネタだよ。必ずデメリットあるし、しかもそのデメリットもゲーム続けられるかってくらい怪しい…」
「んー。そうだね…そうでもないんじゃないかな?体がところどころ腐ってるのと聖光ダメージ5倍と腐臭っていう状態になってるだけだし…」
「それでもだいぶヤバいと思うんだけどなぁ……」
「ごちそうさま。じゃあ僕は向こうに戻るね。」
「頑張ってねー。」
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場面は代わり、石碑の前にログインしてやってきた。
「次は通り抜けよう。」
僕はもう死にたくないので、全力を出すことにする。
階段が終わると同時に僕は走り出す。はじめの頃だと走ることは出来なかったけど体幹スキルがレベルMAXになり姿勢制御となった今ではゾンビの体でも曲芸じみたことまで出来る。
数えきれないチャレンジで分かったことがある。まずはこの通路は3つ目まではルートが決まっていてそこを外れるとトラップが発動する。 ゆっくり行き過ぎても発動すると言った鬼畜仕様であるのだ。
さて、最速で3つ目までクリアしたがここからが難関だ。4つ目のトラップはどう足掻いても発動する。しかも、発動するトラップも毎回変わる。1〜3まではすぐに出来るようにはなったのだがいつも4つ目のトラップにやられるのだ。
「よし、Go!!!」
一息入れて再び走り出す。4つ目のトラップも近づいてくる。ここで僕はα版の時のことを思い出す。戦闘中とか集中が極限まで達した時に景色が遅れて見えるという事があった。
そして……
今がその状態だ。
「殺られる気がしない!!!」
傍から見たらゾンビとは思われないであろう動きとスピードで走る。
残り1mくらいで前から光魔法のレーザーが飛んでくる。それを左右に体を振って躱し、そのまま走る。
4つ目のトラップも抜けて終わったと思ったその時。四方から槍が飛び出してきた。
「何っ!」
そのまま走っていてはやられてしまう。なら……
そして僕は飛んだ。
グシャッ
僕は自分の足と引き換えに何とか入口の先へたどり着いた。
「っ……!!」
痺れる程度だとしてもやはり攻撃されるのはしんどい。
パッパラー!
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Congratulation
Species Quest
王家の墓
CLEAR!!!
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突然のファンファーレと共に受けた覚えのないクエストクリアのログ。
「はぁ?」
どういうことだ。クエストの詳細を確認すると…
「なるほどね、種族スタート地点から一歩も出ずに隠し部屋にたどり着くのが条件か…」
だいぶ鬼畜だな、運営。
「でも、クエストクリアしたのに報酬が無いぞ。」
と、思って見上げてみると──ちなみに僕の今の体制はうつ伏せの状態だ──4体のミイラが台座の上に浮いていた。
「なぜ?」




