22 第2回戦と第3回戦
『第1回戦が終わり、続いて第2回戦です。』
アックスと紙装甲の試合が始まる。アックスはよく分からないけど紙装甲は大分強いと思う。予選のグループが一緒だったので分かるのだけど紙装甲は予選が終わった時点でHPが全然減っていなかったからだ。
「セラ、アックス勝てると思う?」
「よく分からないんだよね…紙装甲がどんなもんかそこまで知らないし。」
「そっかー。」
『それでは第2回戦始め!!』
開始の合図と共にアックスがその身の丈程ある巨大な斧を構えて紙装甲に迫る。
対する紙装甲は大盾をドシッと構えて待っている。って言うか武器持ってないの?
まずは一撃。上からのただ単純な力まかせの振り下ろし。もともとのSTR値が高いのだろうがそれと戦斧の重さが合わさってとてつもない衝撃を生み出した。だが……
『アックスさんの渾身の一撃ィっ!!だがしかし、紙装甲さんはその大盾で正面から受け止めたァ!!!』
紙装甲は難なく受け止めた。けど、紙装甲の方にも衝撃が貫通していたみたいでHPが1割減っている。
アックスは大盾の上からでもダメージが入ると分かったからなのか、そこからどんどん戦斧を振りかぶって行った。
その違和感に気づくのにはそれほど時間はかからなかった。そろそろ司会の人や観客席も気づいただろう、紙装甲のHPは言わずもだがアックスのHPまで減っていたのだ。
『おおっと?これはなんということか、紙装甲さんだけではなくアックスさんのHPも減っているではないですか!』
ここで疑問に思ったのかアックスが初めて口を開く。
「どういうことだ?」
「カウンターだ。ある日偶然見つけただけだがな。まぁ、早い話がプレイヤースキルだ。それもタイミングがシビアだし、大盾を使うプレイヤーが少ないのとで出回っていないがな。あとこれは多分バグだ。」
『えー、こちら運営で調べてみた結果紙装甲さんのカウンターという技はバグを用いたものだと分かりました。しかし、今大会に限り使用可能と致します。』
「どのみち、カウンターされないように一撃で決めればいい話だ。《魔戦斧》」
アックスが戦斧に炎を纏わせ紙装甲の周りを高速で動き回る。そして紙装甲の後に回り込んで戦斧を振るう。
紙装甲も予測していたのかすぐに後ろを向き、大盾を構える。
「《シールドバッシュ》」
お互いの武器が衝突し、アックスが光になって消えた。紙装甲はギリギリHPが残っている。どうやら魔法は跳ね返せない様だ。アックスは魔法タイプのプレイヤーじゃなかったのが幸いだった。
『第2回戦、試合終了!勝者、紙装甲さん。』
次の僕の相手は紙装甲か。頑張ろう。
『えー小休憩が終わり、これから第3回戦を開始したいと思います。』
『第3回戦は(´ー∀ー`)さん対AUXさんです。』
この試合はどちらも短剣使い。どちらもジョブは盗賊だろう。
『では第3回戦、始め。』
結果を言うと。(´ー∀ー`)の勝ちで盛り上がりの欠ける試合だった。一般を極めた者対ただの一般(´ー∀ー`)の圧勝だった。
結果
第2回戦 勝者
紙装甲
第3回戦 勝者
(´ー∀ー`)




