10 妹と……
「ふんふんふーん♪」
あの戦いの後僕は街に帰っている途中だ。なんか久しぶりの里帰りって感じがするな…
「あ、そう言えば世羅達に会ってないや。」
ふとそう思い、ドリームに登録してあるIDに連絡をする。
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お兄ちゃんより
これから街に戻るけど今大丈夫?色々聞きたいんだけど…
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よし、これで送信と。
ピロン
速くない?なんと、もう世羅からのメッセージが届いた。
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親愛なるお兄へ
分かった!大丈夫だよ(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
噴水のところで待ってるよ♡
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……世羅のメッセージは相変わらずだな、まぁ急いでいきますか。
「そうだ、炎龍は僕が飛べるって言ってたけどホントかな?」
多少疑心暗鬼になりつつも自分の背中に翼をイメージすると……
バサァー
白と黒の対になる翼が現れた。
「うわぁ、ホントに出てきた!よーし、早速飛んでみよう。」
バサッバサッ
「ふぁー、風が気持ちいいな」
「でも、街にこのまま降りたらビックリさせちゃうよね?」
そう思った僕は街よりも少し離れた場所で地面に降りて、噴水のところに向かう
「世羅はβテスターだって言ってたから僕よりも強いんだろうな……」
噴水のところに着くと何やら1人の女性が絡まれている。
ピロン
ん?
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ヘルプ
数分前
私「久しぶりにお兄と遊べるな〜」
少し浮かれながら待っていた世羅ことセーラだ。待っていると……
A「ねぇ君、1人なら俺らと一緒に行かないか?」
B「そうそう。俺ら攻略組だからさ、ほらレベルも12でそこらのヤツらよりも効率とかいいと思うよ。」
私「いやー、今別の人と約束してましてね。」
A「そんなんイイじゃんイイじゃん。」
手を掴まれる。←イマココ
だからヘルプ!!!
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凄いな、絡まれてるのにここまで正確なメッセージを……でも分かった。お兄ちゃん頑張るぞ!
僕は男の方に歩いていき、その手を掴んた。
「何をしてるんだい?」
「お兄!」
「なんだ?」
「僕の妹を誘うのは良いんだけど乱暴は良くないな…」
ナギサは抑揚のない声で喋っていき、そして…
「久々にブチ切れそうだよ」
ナギサの顔から表情が抜け落ちた。
「あ、やば。お兄が怒ってる……」