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転生チートの復讐劇  作者: 黒咲 夜羽
第3章 決戦
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38 降臨

「私が最初に魔法でできるだけ殲滅します。それで魔王軍の数をできるだけ削るので、そこからお願いします。私は途中でエルナや陽綺と合流して魔王を叩きます」

「で、ですが。・・・もしも合流できなかったら?」

夏純は意を決意して、言った。

「その時は・・・私1人でも挑みます。最悪、時間稼ぎはするので・・・もしもの時は逃げてください」

夏純はそう伝えた。

自分よりも他人が優先だと。

自分よりもみんなが生き残ってくれと。

しかし。

「バカヤロー。ここまでやってもらって、危険ですから逃げます。なんて言えるか!なぁ、お前ら!」

「「「「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」」」

大人数の声が重なる。

「みんな・・・。・・・今回の作戦は防衛ではなく攻撃です。罠もなければ戦略とも言えない強行手段です。

・・・それでも、ついて来てくれますか?」

全員は一瞬顔を見合わせ。

「何を今更!」

「そうだそうだ!そもそも、死を恐れてたら冒険者なんてやってねぇよ!」

「そうだな!」

「それに、俺達はアンタ達が希望なんだ!どの道アンタ達が居なければ俺達は道標を失っちまうんだ。最後まで付き合うぜ!」

夏純は「ありがとう」と、言いかけて。

これは違うかなと思った。

この時・・・彼ならきっと・・・。

夏純は、全員に背を向けて敵の大軍が迫ってきてる方角へ向く。

「全員、ついてこい!」

彼ならきっと、こう言うから。

『『おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』』

人間の、魔王軍への攻撃が今・・・始まった。


──────────────────


「・・・本当についてくるのですか?」

俺は元聖騎士団長に声をかける。

「・・・もう守るべき王はいませんし。私はあなたについて行こうと思います」

「・・・そ、そうですか・・・」

なんか、一瞬告白みたいでドキッとした。

アリサさん、年上の魅力とか・・・そうゆうのがあるから理性を揺さぶられてしまう。

落ち着けぇ。俺、落ち着けぇ!

ほら、素数を数えろ・・・。

素数ってなんだっけ。

うがぁぁぁぁぁぁ。

そこでふと、夏純の顔が脳裏を過ぎる。

・・・そうだよな。俺はやっぱりアイツじゃないと。

「?どうしました?」

アリサさんの突然の質問にドキッとしながらも、なんでもないです。と、なんとか答えた。

「それと・・・恥ずかしい話。私、飛べないので・・・その。」

あぁ、そうか。俺が運ぶのか・・・。

俺はアリサさんをどうやって運ぶか迷っていると。

「あ、少し待ってください」

そういい、突如脱ぎ始めた。

・・・え?

「う、あ、あれれ?とれない」

必死になってる姿が可愛い。

いや、それどころじゃない。いったい何を!

「ん、んん。これで・・・よし」

最後の・・・鎧が外れて地面に落ちる。

「よし、これで鎧全て脱ぎました。これで少しは軽くなるかなと。」

「・・・あ、あぁ、なるほどね!うん。わかってた。何も期待してませんよ!」

「え、ええ?ど、どうしたのですか?」

俺の荒ぶり方に不思議そうにするアリサさん。

・・・これ以上精神攻撃するのは辞めて頂きたい。


──────────────────


迫り来る魔物の群れ。

人型、昆虫型、動物型、翼竜型。

様々な魔物がエルナを攻撃しようと迫る。

「くっ、【ブレードリュミエール】!」

右手に生成した光の剣で敵を斬り裂く。

銀色の髪は、所々魔物の返り血を浴びてしまい、1部赤になっていたり紫担っていたりする。

「【天理・スピア・ザ・レイ】・・・【巨大化ギガンティック】」

天理と魔法の融合。

巨大な力を持ちながら応用が利かない天理。

小さい力ながらも応用の幅が広い魔法。

その二つが重なることで、応用が利く巨大な力が生まれる。

生成されたのは巨大な槍。

それも、ジャンボジェット機の様なサイズだ。

それを

「てぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!」

敵の中心へ向かって投げる。

敵を紙のように容易く薙ぎ払い、貫き、引き潰しながら魔王軍中心部まで進み、

「拡散!【セイクリッド・アロー】【クロス・ルイン】!」

槍が弾け、地面と水平に十字のレーザーと360°埋め尽くす光の矢が放たれる。

魔物は溶け、穿たれ。

様々な散り方をする。

これで魔王軍自体は最初の1割近くまで減っていた。

「・・・ごふっ!げほっげほっ!」

思わず地面に座り込み、下に向かって咳き込む。

地面は血反吐に濡れ、視界が赤く染まる。

血の涙だ。

血涙、鼻血、吐血。

既に5感が薄れ自分がどんな状態かもわからない。

「・・・ヒ【ヒール】」

少し五感が回復する。

さらに、視界を優先して回復させた。

そのせいで。

見たくないものを見てしまった。

オークだ。

あの、有名な、オークだ!

もう一度言(ry

「い、いや・・・嘘でしょ!?待って!」

オークのニヤついた顔。

(あ、これダメだ・・・。どうせならハル──)

その、瞬間。

黒いレーザーがオークの頭部を撃ち貫いた。

「なにしてんだよオーク如きが。」

聞きなれた声。

「大丈夫か?エル(・ ・)?」

大好きなあの人の声。

「まったく、俺の彼女に手を出さないでほしいぜ」

だからこそ・・・憎い。

憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。

「その声でっ!私を呼ぶなぁっ!」

エルナは渾身のストレートを放つ。

しかし、()()コート(・ ・ ・)を着た陽綺の顔をした誰かは止めた。

「危ないな。助けて貰った人にその対応は」

肩を竦める陽綺。

それはエルナを更に怒らせた。

「アンタが仕掛けてきたんでしょうがっ!」

エルナは魔法を放とうと右手を男に向ける。

「はぁ・・・。【レジスト】」

突如、手の平に集まっていた魔力が霧散し、魔法がキャンセルされた。

「っ!それなら!」

エルナはブレードリュミエールを咄嗟に生成し、振る。

剣は喉に迫る軌道を描いている。

「だから、効かないって」

男の右手が剣を掴み・・・握りつぶした。

「なん・・・でっ!」

魔法が全て打ち消される現象。

「なぜ?当然だろ?」

男は当たり前のように言った。

「だって、エルナ。君が俺を邪神にしたんだから」

最近、バトルが多くてカロリー高いですね。

自分も思います。書いてて気づきました。

「カロリー高いよ!」

そう思われる読者のために、少し番外編?見たいなら話を来週載せようかと思います!

え、バトルが見たい?

大丈夫!

バトル・・・あるかも?

はい!まだ書いてないのでなんとも言えません!

というわけですので次回をお楽しみに!


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